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【第101回 全国高校サッカー選手権大会  準決勝 神村学園 3(1 PK 4)3  岡山学芸館】

【第101回 全国高校サッカー選手権大会  準決勝 神村学園  3(1 PK 4)3 岡山学芸館】

2023.1.7 12:05   kick of

国立競技場

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神村学園 3(1 PK 4)3 岡山学芸館

(前半  1-1  後半  2-2  PK 1−4 )

得点者

6分 田口  裕真 (岡山学芸館)

38分 福田 師王 (神村学園)

59分 大迫 塁 (神村学園)

62分 今井 拓人 (岡山学芸館)

69分 中江 小次郎 (神村学園)

73分 岡本 温叶 (岡山学芸館)

 

PK

岡山 8 ○ 7 ○  10 ○  4 ○

神村 14 ○ 12 ✖︎ 13 ✖︎ ー

 

全国高校サッカー選手権大会 準決勝

 

19472人の観客が声援を送る国立という夢の舞台で神村学園サッカー部は前半から攻めの姿勢を見せた。

試合開始直後からCKを獲得するなど、チャンスを作る。

 

しかし先制したのは岡山学芸館だった。6分、左サイドから2年生の田口裕真が合わせゴール。今大会逆転で勝利を飾っている神村学園に焦りは見えない。38分、金城蓮央のシュートのこぼれ球を福田師王が冷静に流しこみ同点とした。

 

神村学園は前半からスーパーサブ名和田我空をピッチへと送り、ペナルティエリア外からのシュートも狙うが1−1で前半を折り返す。

 

59分、神村学園は髙橋が倒されFKを獲得すると、大迫塁が直接ゴールへと突き刺し2−1と逆転に成功した。

 

岡山も粘りを見せ62分には今井拓人のゴールで2−2振り出しに戻す。69分、神村学園は吉永夢希のシュートをGKが弾きコーナーキックを獲得。大迫塁の正確なキックに中江が頭で合わせ3−2勝ち越しに成功した。

 

これで決着かと思われた終盤、73分岡山学芸館は岡本温叶の技ありゴールで33で試合はPK戦へ。

 

運命のPKは4−1、岡山学芸館の勝利となった。

選手権準決勝らしい激闘を制したのは岡山だったが、神村学園有村圭一郎監督はこう選手に伝えたという。

「今日貰ったブロンズのメダルは、君たちの今後の努力で輝かしていくことによって、シルバーにもゴールドにも変わる」ー

 

今後様々な道に進んでいく選手たちにとって、このPKでの敗戦が今後の未来へ大きく影響してくことだろう。

 

笠置潤は涙をこらえながら「・・・楽しかったです。」と言葉を振り絞った。「勝ちたかったですけど・・・。自分たちの目標は日本一だったんですけど、達成できなくて悔しい部分もありましたけど、ここまで強くなれたので。」と神村学園でのサッカーを振り返る。

 

大迫塁は「この国立のピッチでサッカーをするのが夢だったので、まずは楽しい時間でした。今年のチームの色として“笑顔のある、元気のあるチーム”だったので自分が暗い顔をするより笑顔でやることでチームがよくなると思った。神村学園で最高の仲間と出会えたし、最高の先生方と出会えたし。自分の人生にとって素晴らしい人たちばかりなので神村学園で6年間プレーできて良かったです」と清々しい表情で、そして気丈にインタビューに答えた。

 

福田師王は「もっと点を決めたかったです。足りないです。チームも勝てなかったですし満足していないですね。でも感謝の気持ちです。そして悔しいです。」悔しい表情を見せた。

 

名和田我空は「初めての選手権で国立まで連れてきてもらった。来年再来年に繋げなければいけないと思いますし、3位で終わって本当に悔しい。来年は自分の得点で仮を返せるようにまた頑張っていきたいです」とこの経験を未来に活かす意気込みを語ってくれた。

 

ミックスゾーンでは涙を堪えながらインタビューに答えてくれた選手たちだったが、

インタビュー後、国立の外で待つ仲間たちに出迎えられると、堪えていた涙が溢れた。

これが真の姿、気持ちなのだろう。

 

“強い鹿児島を再び”ー全国の舞台でその目標は達成できたと思う。

大きな歴史を築いてくれた神村学園サッカー部に感謝の気持ちで一杯だ。

 

(取材・文 有賀真姫)

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