【記者会見 J1第10節 福岡-横浜FM】「一喜一憂せずに準備をして、ハードワークをして、また勝利できるようにしたい」/金明輝
2025明治安田J1リーグ 第10節
日時:2025年4月12日(土)14:03キックオフ
会場:ベスト電器スタジアム/8,255人
結果:アビスパ福岡 2-1 横浜F・マリノス
得点:[横浜FM]遠野大弥(11分)、[福岡]藤本一輝(37分)、見木友哉(81分)
◎金明輝監督(福岡);
Q:試合を振り返って
「たくさんのファン、サポーターの後押しで、後半、逆転まで持っていけたゲームだったと思っております。ゲームは立ち上がり10分、集中して入ろうという中で、10分で失点してしまって、クリアミスだったり、いろんなことありましたが、やはりああいう最初に取られると難しくなるなというところと、準備してきたことが、時間はしっかりとマリノスさんよりはあったので、攻守でしっかりと我々が意図したプレーは出たかなというイメージですかね。
あとは藤本のああいうシュートとか、年間で1回見れるかどうかのシュートだと思うんですが(笑)、ああいうのがたくさん決まってくるようなチームになっていかないと勝てないと思います。後半も引き続きしっかりとハードワークして、ゲームを優位に進めてくれたかなと思います。最後は押し込まれましたが、しっかりと耐えしのいで、本当に実のある勝ち点3だったと思います」
Q:試合前に順位はあまり考えていないということでしたが、今日勝ったことで現時点では首位、他会場の結果に拘わらず3位以内は決定しました。今この時点でこの位置にいることをどのように捉えていらっしゃいますか?
「近年のJリーグは勝てると算段できる相手はなく、多分、うちの立ち位置的にもそうだったと思うんですが、全部が難しいゲームで、勝っているゲームは全部1点差なので、先を見る余裕なんてないなと思いながら毎試合、毎試合、臨んでいます。今日でちょうど10試合目で、節目というか、全体の約4分の1を少し超えたぐらいで上位に位置していることは、当然、下にいるよりはポジティブですし、そこは意識はしないまでもないですが、まだまだ先は長いので、いつも言っていますが、勝った負けたで一喜一憂せず、当然、微調整はありますが、1試合、1試合、次の中3日でのルヴァンカップにもしっかりと良い準備して、ハードワークをして、また勝利できるように準備したいと思います」
Q:今日は最終ラインの立ち位置がいつもとは少し違っていたように思います。狙いを教えていただけますか?
「中2日ですが、水曜日のマリノスと川崎との対戦を観ていると、やはり自由に持たれると上手なチームなんで、我々がいつも通りの守備をしっかりとトライしながらも、中で選手たちが、日々の練習で毎週、毎週積み重ねてきたもので微調整しているなというところでした。そんなに大きく形は変えてはいないですが、当然、相手によって少し細かな微調整はありますので、そういった中でプレーできたかなと思っています」
Q:これからも続けていかなければいけないというところで敢えてお聞きしますが、今日のゲームの中で次に向けての課題みたいなものがあれば教えていただけますでしょうか?
「今まではしっかりとした守備からセットプレーで(仕留める)というところでしたが、今日に関しては我々が前進する、しっかりとしたポジショニング、相手を見た中での前進、そういったものをたくさん見せられたと思います。ただ、やはり最後のクロスの質だったり、クロスに入るだったり、仕留めるタイミング、そういったものはまだまだ詰める必要はあるのかなと思います。毎試合、毎試合積み上がっている部分はあると思うんで、選手たちの頑張りに感謝したいと思います」
Q:試合を重ねごとに攻撃、守備ともに形になってきているなと思いますが、その辺りの監督の手応えについて、改めてお聞かせ願えませんか?
「僕も新任ということで、僕の理想というかやりたいことはありつつも、やはりキャンプでの日々と、今のリーグ戦での『勝った』『負けた』という自分たちの立ち位置で、強気でプレーできるというところがあり、選手たちに少し心の余裕が出てきたのかなと。そんな中で本来の力を出せているのかなと思いながら、キャンプで我々がしっかりとやれてきたことが、今になって少し出はじめているなというところは感じております。
とはいえ、もともとクオリティの高い選手たちが多いので、僕は道しるべというか、そういった方向性だけを示せば彼らはやってくれるんで本当に頼もしいですしね。いい時ばかりではないですけれども、こういうゲームが1試合でも多く、特にこのホームでは、そういうゲームでしっかりと勝ち切りたいなと思っております」
Q:キャンプからやってきたこととして、主導権を握って後ろから繋いでいくという中で、開幕当初は躓いて、その後はロングボールを使ったりということもあったと思いますが、今日の試合では、サイドを幅広く使って繋ぐ場面とかもありました。その辺りが、今おっしゃった『余裕』というか、そういったものが出てきているということでしょうか?
「僕の中ではロングボールが『悪』、ショートパスが『善』という認識はまったくありませんし、みなさんにもないと思いますが、ロングボールも効果的に使うことでチャンスを作ることができます。志知から藤本への決定機であったり、シャハブが抜け出したところとか、あるいは(岩崎)悠人が後半に1本抜けたところというか、ああいう長いボールは、当然、相手もそうだと思うし、絶対に必要な部分でもあります。その中で選手が判断して、前進するときは距離感のいいパスとポジショニングで組み立てるといったところは、日々、トレーニングから意識はしていますので、キャンプからしっかりと積み上がってるなと感じています。当然、気持ち的な余裕というようなものも少なからずあると思いますが、再現性のあるプレーがたくさん出せるようにやっていきたいなと思っています」
Q:左サイドの件ですが、相手の右サイドバックが宮市選手で、本職じゃないということもあって、藤本選手と志知選手のところで縦に推進力を持って崩すということを前半から明確にやっていたと思います。そこの効果と2人のコンビネーションについての評価をお願いします。
「おそらく、福岡の試合をあまりご覧になっていないと思いますが、うちの左サイドでは、ああいう形は良くてでいます。今日に関しては、特に宮市選手の攻撃力を抑えたいというとこで、多少ポジショニングを微調整して臨ませました。おっしゃる通り、そこでストレスをかけられたのかなと思います。逆に言えば、やはり彼らの右サイドのストロングは脅威だったので、そこもうまく対処できればと思ったんですが、お互いの強みで1点ずつ取り合った前半なのかなと思ったりはしました。また、マリノスさんが前半で選手を交代したのは、当然、疲れもあるでしょうけれど、そこに関してはひとつ狙いは示せたのかなと思っております」
Q:ハーフタイムで上島選手を投入しました。田代選手がイエローカードを1枚もらっているというのもあったと思いますが、あそこのタイミングで投入した意図と、上島選手のプレーに対する評価をお願いします。
「僕としても難しいジャッジではありました。見ての通り、強気な攻撃的な守備をしている中で、イエローを怖がった守備で後半も抑えられるほど相手は甘くないので。とはいえ、スムーズに決断できました。上島に関しては力はあるし、試合出てない中でも常にチーム鼓舞し、ふてくされることなく爪を研ぎ続けて、僕らの頭が下がるぐらいにチームのお手本のような振る舞いをすごくしてくれていました。なので、絶対にいいプレイすると確信があったので、僕としても自信持って挑ませてあげたということで、全然ギャンブルでもありませんでした。決して田代のプレーが悪いというものではなく、相手に強力なフォワードがいるという中で『イエローもらったらダメですよ』みたいな守備で抑えることは難しいと思った結果の判断でした。もしかしたら、その判断が外れてやられたりということもあったかもしれませんが、結果的には(上島)拓巳にとっても良い45分になったのかなと思っております。難しい状況での投入でしたがすごくよかったし、期待に応えてくれたと思っております」
Q:決勝点を挙げた見木選手ですが、今日は疲れからなのか、個人的には決していいパフォーマンスではなかったように見えました。それでもあそこまで使い続けた信頼の理由と、あそこでゴール前に顔を出せる彼家のプレーの評価について教えてください。
「良いか悪いかは、改めて映像を見て振り返ってみないと分からないですが、僕個人としては、いつも通りのみだったのかなと思っています。やはり彼がいるからチームで何をすべきかというのが、しっかりとコントロールできてたのかなという印象です。傍から見たらそうなのかもしれないですが、彼を変えるという選択肢はなかったですね。
ゴールシーンに関しては、彼は常にボックス to ボックスというか、どちらかと言えば(松岡)大起がバランスを取って、見木が上がるような形で10試合近くコンビを組んでやっていますが、点が取れる位置に入っていける彼の良さ、常に得点を狙ってると言っているので、やはり『さすがだな』という印象ですね」
Q:見木選手の決勝点のシーンの部分についてですが、見木選手のところでボールを奪って、そこからカウンターを仕掛けてクロスに合わせてという形でした。ミキ選手をボランチに置いている良さや、今季、取り組もうとしていることが凝縮されたような得点でもあったと思いますが、その辺りはいかがでしょうか?
「ぼんやりとしか覚えていなくてですね、『ナッシム、それワンタッチで上げろよ』と思って(笑)、ちょっとベンチに振り向いた瞬間にワーっと歓声が上がって入っていたので、実はそこも見ていなくて、僕らの中ではそういうイメージだったんですね…。(前嶋)洋太がついていって、もう1回上げてという形でしたかね。
見木はそういう鼻が利く選手で、常にこぼれ球等々を狙っています。わかりません。本当はもう一つ前の位置でのプレーを望んでいるのかとか、
本来ね、もう1個前のプレーを望んでるのかとか、いろんなことを考えているのか、そこは分かりませんが、多分、気持ちよくプレーしているのではないかと思っております」
[中倉一志=取材・構成・写真]