J1第10節全試合振り返りLIVE(J論)【4/14(月)22時】

「football fukuoka」中倉一志

【無料記事】【記者会見 天皇杯準決勝 川崎-福岡】「勝ち上がることがすべて。反省をしながら学んでいけた試合」/鬼木達

天皇杯 JFA 第103回全日本サッカー選手権大会 準決勝
2022年10月8日(日)15:30キックオフ
会場:等々力陸上競技場/18,547人
結果:川崎フロンターレ 4-2 アビスパ福岡
得点:[川崎]山村和也(5分)、[福岡]金森健志(42分)、[川崎]橘田健人(53分)、マルシーニョ(70分)、レアンドロ ダミアン(81分)、[福岡]鶴野 怜樹(90+6分)

◎鬼木達監督(川崎);
Q:試合を振り返って
「まず多くのサポーターが駆けつけてくださったことで本当に素晴らしい後押しになったと思います。そういった中で、選手は本当にアグレッシブに最初から戦ってくれましたし、先制点を取れたところ、その後のところも悪くなかったと思います。ただ、失点の場面とか、前半の最後の方で少し落ち込みがあったと思います。PKの失敗もありましたし、そういうところで少しメンタル的なところは落ちたのかなと思います。ただ、後半に向けてしっかりと切り替えてくれたこと、後半の入りでちょっと危ない場面がありましたけれど、あそこで失点していたら、また分からないようなゲームになったと思うので、そういう意味で言うと、選手たちにはとにかく自分たちから崩れないようにという話をした中で、そこをしっかりと保てたことが良かったと思います。あとは自分たちらしくしっかりボールを動かしたところ。激しいプレーはいっぱいありましたけれども、そういった中でも自分たちらしくボールを動かしたこと、最終的に点差が開いたところでも、守るだけではなくてボールを動かしながらしっかりと時間を使うところが徐々に良くなってきたと思います。最後の失点はもったいなかったですけれど、天皇杯というところは勝ち上がることがすべてだと思いますので、反省をしながら、また学んでいけた試合なのかなというふうに思います」

Q:勝つことが一番というところで、天皇杯は3大会ぶりの決勝になります。今年はまだタイトルを取れてない中で、こういう戦いができてそこに駒を進めることができたことについてはいかがでしょうか?
「やはり何が何でもタイトルを取りたいという想いはずっと変わらないので、そういう意味で言うと、まずファイナルへ行けたことでほっとする気持ちもあれば、嬉しい気持ちもあります。ただ本当にまだ何も成し遂げていませんし、そういう意味で言うと、最後にまたそこに向けてパワーを使っていきたいと思います。ただ、今日もタイトルを取ろうというよりも、まずファイナルへ行こうという話をしている中で、そこへの想いというのは選手から非常に感じたので、それは良かったなと思います」

Q:蔚山戦の前に取材をさせていただいた時に、この1週間が重要な1週間になるという話をされていて、それが結果的に最高の形で迎えられたと思います。その大事な2戦を終えた今のお気持ちと、蔚山戦で勝ったことによって今日の試合に向けて選手にどのように呼び掛けたかというのを教えていただければと思います。
「まず、やはりこの2試合が非常に重要だと思っていましたので、ほっとしているというところはあります。タイトルに繋がる2試合だと思っていましたから、どちらも落とせば非常に難しいゲームになると思っていたので、自分自身もより集中力を上げてというか、そういうものがありましたし、選手にもそういう働きかけをしました。とにかく蔚山戦が終わって良い雰囲気にはなりましたけれど、より覚悟を決めて戦わなければいけないという話をしていましたし、やはり蔚山よりも難しいゲームになる可能性があると思っていたので、そういう話はして挑んでいました。今日のゲームで言うと、90分だけではなくて、120分になろうが、PKになろうが、とにかく勝ち進もうという話をしていました。意地の部分というか、そういうものを見せてほしいと。そういうこともあって前に進むことができたのかなと思います」

Q:今日、得点を決めた4人は、今季は怪我であったりとか、試合になかなか絡めなかったり、いろんな想いを抱えた選手たちが、このタイミングで4人ともスコアラーになったということに関して感想をいただけますか?
「得点はチーム全体のものだと思っていますけれども、やはり最後に決めるという作業のところで言うと、そういういろんな想いがある中でゴール前に入っていっているんだろうなというふうに思います。得点だけではないです。非常に一つひとつのプレーに力強さ、テンションを感じましたし、そういう意味で言うと、本当に苦しい選手たちがそういう想いをこのゲームにぶつけてくれたというのは間違いない。嬉しいです。率直に嬉しかったです」

Q:得点を挙げた選手のお話がありましたが、ダミアン選手が、結構、前からのプレスのところ見ていても本来の調子を取り戻してきてくれているのかなと思います。今日の得点のところも含めて彼の評価を教えてください。
「前半のところでいくと、最初の時間帯から徐々に、PKの件もありますが、もっともっとやれるのではないかなというところはありました。ただ、逆にああいうことがあった中で、もう1回スイッチといいますか、ボールロストなんかも、後半のところはより身体を張るようになったりとか、落ち着きの部分とか、あとは最後の部分というのは出てきたと思います。そういう意味で言うと、コンディションが良くなってきているというのが、そういうエネルギー変わっていると思いますので、そこのところは非常に評価しています。あとは本当に90分間を通して波なくやれれば、もっともっと良くなると思います。前の選手がスイッチ入れてくれると後ろも行けますし、そこはまたダミアンだけではなくいろんな選手がやっていければと思っています」

Q:ちなみにPKのところはピッチ内の選手の判断に任せたということでしょうか?
「そうですね。普段はアキ(家長昭博)が蹴るようなところなんですけれど、少し足の痛みもありますし、ACLでいないところで分かってもらえると思うんですけれども、そういうのがいろいろあった中での彼らの判断だと思います。それがなければアキという選択だったでしょうし、彼はいろんな形でそこら辺のところも考えていかなきゃいけないかなというふうには思います」

Q:先ほどもお話にあったように、前半の終わりの頃にPKの失敗とか、それから失点があって、ちょっとメンタル的に落ち込んだとおっしゃっていましたけれど、ハーフタイムに多分監督から、かなり喝を入れられたので歯ないかと思います。どんな言葉をかけられたのか、そして選手のリアクションはいかがでしたでしょうか?
「基本的に喝はそんなに入れてないです。自分自身も、とにかく冷静にならなければいけないというところで、むしろ、やらなくてはいけないことを話したというところになります。やらなければいけないことというのは本当にシンプルですけれども、正しいポジションに早く入るとか、自分たちの何を嫌がってるのかというところをしっかりと理解した中で試合を進めるとか。(ハーフタイムに)帰ってきた時には、ピッチでの中で見ているよりは選手も冷静で『もう1回ここからだ』『0-0だよ、まだ』という話を自分たちでもしていました。そういう意味で言うと、1回ブレーキが入ったことで冷静に戦えたのかなというふうに思います。崩れなかったのがよかったのかなと」

Q:今の質問ともかぶるかもしれませんが、前半の終わり、PK失敗の少し前あたりからかなり押し込まれる場面がありましたが、実際にはどういうメカニズムでああいうことになったのでしょうか?
「やはり守備のところで、かなりプレッシャーに行けなくなったと思うんです。そこのところは、いろんな形を変えながら行かなければいけない場面だったんですけれども、少しはっきりしませんでした。蔚山戦でも同じような場面がありまして、それを少し修正をしたつもりでしたけれども、そこがまだやりきれなかったのかなというところがあります。ただ後半は、そこら辺のところが徐々に徐々にみんなの頭の中も整理されて、完全に押し込まれるというか、自分たちで下がってしまうというのが減ったのかなというふうに思います」

[中倉一志=取材・構成・写真]

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