宇都宮徹壱ウェブマガジン

全国のJクラブ始動と広州FCの解散に思うこと 日本と中国、プロ化の決定的な違いは何だったか

 本題に入る前に、まずは告知めいた話題から。

 年頭のコラム2025年の宇都宮徹壱WMは「コミュニティ化」を目指すと宣言した。その手始めとして、今週の土曜日にオンライン新年会の開催を告知したのだが、びっくりするくらい希望者が少なかったため、あっさり撤回することにした次第(ご応募いただいた方々、申し訳ございません)。かくして新年会は断念したが、さりとて「コミュニティ化」を諦めるつもりはない。

 実は「コミュニティ化」に併せて、今年はYouTubeチャンネルを活性化させていこうとも考えている。まずはトップページのレイアウトを整理してみた(参照)。現在のコンテンツは、月1でカミさんとお届けする「先月の振り返り」、そして月2でゲストをお招きする「徹壱の部屋」。これにさらにひとつ、定期的なコンテンツを加えて、週1ペースで動画を配信してみようと考えている。

 内容としては、これまでのコンテンツとは趣が異なり、なおかつ「コミュニティ化」に資するものとなること。条件としては、編集やアテンドなどの手間はかからず、それでいて自分自身の新たなチャレンジとなること。いろいろ考えた末に出した結論は、人気YouTuberがよくやっている「雑談」である。これは私にとり、間違いなくチャレンジングな試みとなるはずだ。

 これまでの喋り系の仕事は、相手の内面を引き出したり(インタビュー)、グループトークを円滑に回したり(MC)、といったものがメインであった。一方、大学やブックライター塾での講義では、伝えるべき相手が見えていた。しかしYouTubeでの雑談となると、ラジオに近い感覚でひとり語りをすることになる。この新たな挑戦は、来週にも始める予定。詳細は来週のコラムでお伝えしたい。

 さて本題。年末年始の9連休が明けた今週、全国のJクラブがほぼ一斉に始動した。今季の開幕は2月14日で史上最速。とりわけ今季からJクラブとなる、栃木シティFCと高知ユナイテッドSCは、初めての1月始動にやや面食らいながらも、来たるべきシーズンに関係者は心躍らせていることだろう。

 中国甲級(2部)の広州FCの「解散」が報じられたのは、まさにそんなタイミングだった。広州FCは、広州恒大FCの名で2011年からの7連覇を含めて超級(1部)で8 回優勝。ACLでも2回の優勝を果たし、Jリーグファンの間でも強豪として知られていた。また、マルチェロ・リッピやルイス・フェリペ・スコラーリなど、世界的な監督を招聘していたことも記憶に新しい。

 2010年代における、中国サッカーの「爆買い」を象徴するような広州恒大だったが、親会社の恒大集団が不動産バブルの崩壊で財政難に陥ると、2022年には甲級に降格。超級に復帰することなく、そして2020年から着工した8万人収容の新スタジアムの完成も見ることもなく、「多額の歴史的負債」を理由にプロリーグから追放され、このまま解散することが濃厚となっている。

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