宇都宮徹壱ウェブマガジン

5日で5連戦の「過酷な大会」は中止にすべき? 60回を迎えた全社の改革案について考えてみた

 1023日に全社(全国社会人サッカー選手権大会)の3位決定戦と決勝戦が布引グリーンスタジアムで行われた。まずはその結果から紹介することにしたい。

 10時キックオフの3位決定戦、FC刈谷vsジェイリースFCは、両者スコアレスで80分が終了。PK戦の末にジェイリースが6−5で勝利して、全社に挑戦して3大会目で3位を獲得した。これはこれで素晴らしいことだが、実はジェイリースは1回戦の横浜猛蹴戦に4-2で勝利して以降、4試合ノーゴール。3回のPK戦に勝利しての3位だったことは留意すべきであろう。

 つづく1230分の決勝、JAPANサッカーカレッジ(JSCvs FC徳島は、67分(後半27分)の篠田翔太のゴールが決勝点となり、JSCが初優勝。全社出場は7大会ぶりだったが、ブランクを感じさせない戦いぶりで社会人の頂点に立った。前回大会で3位だった徳島は、本気で優勝を目指していたものの、あと一歩及ばず。この悔しさを地域CLで活かしてほしいところだ。

 さて今週は、1回戦から準決勝まで取材した全社について。最初は総括的な内容を考えていたのだが、尊敬して止まない大先輩、後藤健生さんのこちらのコラムが若干炎上気味となっていることを知った。いかにも煽り気味なタイトルで「中止せよ」となっているが、書かれてあることは大会方式に対する異議が中心である。

 全社という大会を初めて取材したのであれば、こうした違和感を覚えるのも当然といえよう。私自身もそうだったし、今も5日連続のトーナメント方式が最適解であるとは考えていない。連続出場は3日が限界。今大会は3日目で全社枠が埋まったこともあり、準決勝では各チームのパフォーマンスが例年以上に低調気味だったと感じている。

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