レディースのWEリーグ参入は「やらない理由がなかった」! 「一般社団法人から見た」セレッソ大阪のスポーツ事業<2/3>
■JリーグとWEリーグのチームを持つメリットとは?
──村山さんが来てからの大きな変化として、セレッソ大阪ヤンマーレディース(以下、レディース)のWEリーグ参入というものがありました。今日こちらのオフィス(ヤンマー本社ビル)を訪れたら、エレベーターにセレッソとレディースの選手のラッピングがしてあったんですが、男女の比率がほぼ同じだったことに感心しました。
村山 まあ、会社としての考え方もそうですし、スポーツビジネスの世界でも基本的に(男女比は)1:1であるべきだと思います。もちろんセレッソのトップチームがもたらす収益と、レディースがもたらす収益とでは、それなりの差があるのは事実です。それでも露出に関しては、1:1のつもりでやろうという感じですね。ちなみに、ここのオフィスのエレベーターは4機あって、うち1機が貨物用。残り3機のうち2機が男子で1機が女子のラッピングです。
──関西圏にはINAC神戸レオネッサがありましたが、大阪では初のWEリーグクラブであり、初の昇格クラブということで注目度は高かったと思います。数字にも表れていますか?
村山 数字的には、まだまだだと思います。平均入場者数は3000人を目標に取り組んだんですけれども、2578 人まで行ったのかな? 後半は広島の新スタの影響でサンフレッチェ(広島レジーナ)に抜かれて2位になりました。リーグの前半では周囲から「集客、すごいですね!」とか言われていて、他のクラブにも刺激を与えることはできたのかもしれない。でもサッカー界の外側のところで、すごくダイナミズムを出せたのかと言われると、まだそこまでではないと思っています。
──なるほど。今、確認したらセレッソは2578人、広島は2907人でした。
村山 セレッソを普段から応援してくださる層に対しては、ある程度は認知していただいていると思うんです。でも、そこから一歩出てしまうと「へえ、セレッソには女子があるんだ」くらいのレベルから抜け出せていない。まあ、どこのクラブも苦労しているとは思います。けれどもWEの名のもとにプロ化したのに、(平均入場者数)3桁のクラブが3つもあるのは……。
──ASエルフェン埼玉が968人、ノジマステラ神奈川相模原が905人、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースが871人ですね。
村山 1000いかないクラブが12クラブ中3つあって、それで「プロリーグ」といえるのかという話ですよね。もちろん、WEリーグも各クラブも頑張っていると思うんですですが、まだまだ頑張れる余地があるんじゃないかって思っています。
──確かに。一方で、JとWEの両方をもっているクラブは8あります。クラブによっては、負担に感じているところもあるかと思うのですが、チャレンジしてメリットがあるとすれば、どのあたりだと思います?
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