宇都宮徹壱ウェブマガジン

アル・アインでの敗戦から何を持ち帰ったのか? 今こそ振り返ろう「#マリサポUAE遠征」<3/3>

写真提供:sayaka

延々と続く荷物検査と今まで感じたことのない圧 今こそ振り返ろう「#マリサポUAE遠征」<2/3>

「この悔しさを目に焼き付けておこう!」

──試合に話を戻します。33分にアル・アインがPKで追加点。F・マリノスも40分、マテウスのゴールで1点差としますが、前半のアディショナルでGKのポープ・ウィリアムが一発退場となってしまいます。その後は1人少ない状態となり、後半に3失点を喫することになりますが、サポーター的には早い時間帯での失点で、相手に主導権を握られた感じだったのでしょうか?

sayaka そうですね。開始早々のゴールで、向こうに「行ける」という自信を与えてしまって、その後も得点を重ねるたびに私たちへの圧力を増していった感じです。それでも私たちは、最後まで諦めず応援を続けていましたし、飛び跳ねながら歌い続けていました。ただ、あの時のアウェイの雰囲気というものは、これまで経験したことのないものだったんです。あれを跳ね返せないと、アジアのチャンピオンにはなれないんだなと痛感しました。

佐々木 私が印象的だったのが、スタジアムDJのゴールのアナウンスが遅かったことです。日本だと、決まった直後に「ゴール!」って言ってから、時間と得点者がアナウンスされるじゃないですか。ところがアル・アインでは、決まって2分くらい経ってから「ゴール!」だったんですよ。そこでまたスタンドが大歓声になるので、1点入れられて2点分のダメージを食らうんです。

──わざとタイミングをずらしていたんですかね?

佐々木 理由はわからないですが、こっちとしてはやりづらかったのは間違いないです。あと、あれだけ厳しい持ち物検査をやっていたのに、なぜか発煙筒が炊かれていたんですよ!

sayaka しかもバックスタンドから!

佐々木 そう。その煙が風に乗ってこっち側に届いていたので、喉がガラガラになってしまって。失点に加えて声も出ない、暑さで体力も奪われる、飲水も限りがある。珍しく試合途中でへばりかけて、自分たちがとことん無力に思えてしまいましたね。

──結果として1-5で敗れてしまい、アジア王者の座を持っていかれてしまったわけですが、その後の表彰式も残って見ていたんですか?

sayaka いつもだったら、相手がトロフィーを掲げるとこを見ずに撤収しちゃうんです。でも、この時は「この悔しさを目に焼き付けておこう!」とコールリーダーが呼びかけたので、みんな下を向かずにあの光景を噛みしめるように見ていました。

山口 私のいた場所から、ちょうど表彰式を見ている喜田選手の背中が見えたんです。表情はわかりませんでしたが、悔しい思いをしているのは背中から感じることができました。私自身は終了のホイッスルが鳴った瞬間、涙が止まらなかったんですけど、選手たちはもっと悔しかったはずなんですよね。それなのに、しっかり表彰式を見届けていた選手たちの姿を見て、これからもF・マリノスについていこうと思いました。

──ささゆかさんは、表彰式の時はどんな感じだったんですか?

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