宇都宮徹壱ウェブマガジン

【新連載】「大人になった」中坊コラム なぜ「まとめ記事」は放置されるのか?

 中坊(30代半ば)と申します。高校生時代からウェブサイトをやっていて、ウェブサイト閉鎖後はTwitter(現・X)で観戦レポやサッカーにとりまく話を日々垂れ流し、1993年の観戦開始から気付けば30年、長いことサッカーに付き合ってきました。
 1日2試合見に行くハシゴ観戦、2週続けての海外遠征、南米のスラム地域を通らざるを得ない体験、幅広い年代の友人、どれもサッカーがなければ経験しなかったものです。
 先日の花見で、宇都宮徹壱さんとの「中坊、書いてみない?」「いいっすよ」とのライトなやりとりで始まりました。月イチでの連載となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 まずはじめに、この問題は誰かが損害を被る話でもなければ迷惑を被る話でもなく、正直言って「言わんでも良いこと」である。特にメディア関係の人はこの問題に言及することで仕事に影響を及ぼしかねないところだが、自分は単なる「いちサッカーファン」なので自由に書かせていただく。

 そして、これも明確に言っておきたい。本稿は、サッカーダイジェストの「まとめ記事」についての言及だが、矛先を向けたのは「サッカーダイジェストWEB編集部」。今回指摘するのは、現場に訪れている署名記事の方ではなく、あくまでWEB編集部の方である。

 かつてサッカーダイジェストは、サッカーマガジンと並び業界誌として権威を保っていた。自分も2000年代は毎週両誌とも隅々まで購読しており、良くも悪くもサッカー観戦の参考にしたり知識を得ていた思い入れのある雑誌である。

 そのサッカーダイジェスト、ここ数年の凋落が著しいことについて大半のサッカーファンは同じ思いを抱くと思う。具体的に言うと、ネット記事における低レベルかつ中身のない「まとめ記事」を乱発している現状だ。

 やり口は以下の通り。

 【パターンその1】
 ・欧州所属選手が活躍する。
 ・簡単にプレーと結果内容載せた上で、ネット上の一ユーザーの感想をコピペして掲載。
 ・「○○が活躍!『○○半端ないわ』『やばすぎやろ』と話題に」というタイトルで掲載。

 【パターンその2】
 ・有名選手がSNSを更新する。
 ・その内容およびコメント欄をコピペして紹介。
 ・「△△が語るXX! 日本とのギャップとは?」というタイトルで掲載。

 他にもさまざまなやり口があるのだが、紹介していくだけで自分のIQが低下していくので、上記2例程度で勘弁していただきたい。

 これの何が問題なのか、情けないのかと言うと、一番はネットでカチカチとコピペしてまとめた、記事作成者の思いや考察がほぼ無く、誰でもでき、バリューを生まない「作業」を、かつて権威を持っていたサッカー専門誌がやっていることだろう。

「構成●サッカーダイジェストWEB編集部」としか記されておらず、記者名は当然ながら無し。原稿を書いた記者の色も感情も出ない、単なる「まとめ記事」。

 ネット上で無数にある、素人の「まとめ記事」と何が違うのか? 専門誌のクレジットとはいえ、これは時給1000円のバイトでも作業可能。それこそ、サッカーの知識や興味がなくても可能。ただ単に話題になってる、ハイライト映像やSNS見てX上の感想やInstagramのコメント欄から、いくつかコピーしてくればいいだけ。誰にでもできる。

 ついでに言わせてもらうと、タイトルで「天才やん」「ホンマ神」とか、関西弁を結構な高頻度で混ぜ込んでくるの何?

 ハリウッドでアフリカ系俳優起用が、暗黙のうちにマストになってる世界の潮流を踏まえて、日本のネット界でも一定数関西弁を混ぜ込まなきゃいけない多様性配慮の風潮とかが、自分が知らないだけで既に周知のマナーみたいになってるの? 知らなかったから教えてくれよ!

(残り 1630文字/全文: 3147文字)

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