宇都宮徹壱ウェブマガジン

「今治さんは最大のライバルでありパートナー」 村上茉利江(株式会社愛媛FC取締役)<2/3>

「今治さんは最大のライバルでありパートナー」 村上茉利江(株式会社愛媛FC取締役)<1/3>

「愛媛FCの価値が軽んじられているのではないか」

──愛媛FCに本腰を入れるようになった茉利江さんが、最初に着手したのは何でしょうか?

村上 コンサル時代の私は、組織改革の仕事が中心でしたので、最初に着手したのがスタッフとの1 on 1ミーティングでした。そこで感じたのが「全員がとても熱い想いをもって仕事に取り組んでいる」ということ。それを知って、なおのこと私自身も真剣に向き合わなければならないし、何がなんでもJ2に返り咲かなければならないと思いました。

──J3降格に対して、いろいろと言われることもありますか?

村上 去年の開幕前、スポンサー回りをする中で「J3に落ちるようだと誰も応援しなくなるよ」と言われたことがありました。言われて思ったのが「愛媛FCの価値が軽んじられているのではないか」ということ。ものすごく悔しかったんですね。身近で見ている立場からすれば、負けてヘラヘラしている選手なんてひとりもいない。本来はリスペクトされるべき選手たちが、軽んじられているならば、きちんと彼らの価値を伝えなければならないと考えるようになりました。

──大事なことですよね。具体的には、どんなアクションを始めたんでしょうか?

村上 まずはメディア各社さんに、選手の魅力が伝わるような番組作りをお願いしました。それからクラブのYouTube発信についても、きちんと作れる人ということで、森脇良太のYouTube番組を制作している、りょーすけさんにお願いすることにしました。

──動画以外にも、愛媛FCのブランディングを再定義するためにチームを立ち上げたそうですね。何人くらい関わっているんでしょうか?

村上 今は6人ですね。クラブからは私とGMの青野、それと東京や大阪でアートディレクションをしている方にも加わってもらっています。今はトーン&マナー(註:デザインやスタイル、文言などに一貫性をもたせるルールのこと)を作っている段階です。

 動画もそうですが、何でも内製にしてしまうと、スタッフがオーバーワークで疲弊してしまうんですよ。クリエイティブに関しては、なるべく外注にしてスタッフに負担をかけないようにしながら、レベルを上げていこうと思っています。

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