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【無料公開】映像があふれる時代だからこそ「皆が楽しめる場」を ヨコハマ・フットボール映画祭2023レビュー<3/3>

【無料公開】映像があふれる時代だからこそ「皆が楽しめる場」を ヨコハマ・フットボール映画祭2023レビュー<2/3>

YFFFの新機軸! ふたりの人気声優によるトークイベント

──以上、ひととおり上映作品をご紹介いただきました。あらためて、昨年6月に開催されたYFFFとの違いを教えてください。

福島 前回はまだ、コロナ対策を入念に行う必要があったんですよ。お客さんについては人数制限をお願いしていましたし、ゲストの方々にもマスク着用でご登壇いただく必要がありました。今年はコロナが5類に移行したこともあり、劇場にはフルに入っていただけることになりました。これがまず大きかったですね。

──今日、同席していただいた澤野さんもそうですが、スタッフの数もだいぶ増えて戦力になっている印象を受けます。

福島 若手スタッフも力を付けてきていて、いろいろお任せできるようになった分、僕もプロモーションの部分でもっと頑張らないといけないと感じるようになりました。若手だけでなく、僕よりも上の世代の方々にもご協力いただいて、スポンサー集めやネットワークづくりの部分でかなりパイプが太くなっていった感じです。

澤野 かなっくホールの会場での開催が、今回で3回目ということもあって、会場の使い方も回を重ねるごとにレベルアップしている実感があります。イベント会場についても、もう少し広くしようとしていますので、より多くの方々をお招きして開催できればと思っています。

──そのイベントなんですが、今年は明確なコンセプトはあるんでしょうか?

澤野 今年もフリーアナウンサーの倉敷保雄さん、元国際審判員の家本政明さん、あとはミルクサッカーアカデミーさんなど、これまでにもご出演いただいた方々にご登場いただくことになっています。これは映画祭だけでなく、イベントコンテンツについても一緒に育っていこうという思いがあるからです。その一方で、コロナ禍の制約がなくなったということで、ゲストの皆さんとお客さんとの交流も促進していければなと思っています。

──今年は新機軸のイベントもありますよね。「喋る×蹴る声優が届けるサッカー愛」と題して、梅澤めぐさんと本郷里実さんという2人の声優さんをゲストにお招きしています。おそらく若手スタッフのアイデアだと思うんですが。

福島 お察しの通りです(笑)。僕らおじさんには、出てこないアイデアですよね。

澤野 梅澤さんも本郷さんも、サッカー経験者ということもあって、単なる声優さんのお話というよりも、サッカーとの接点ということでのトークを楽しんでいただけるかと思います。と同時に、声優さん目当てで会場にいらっしゃる方もいると思いますので、このイベントをきっかけに新規のファンを獲得したいという思惑もあります。

──Jリーグと「にじさんじ」とのコラボみたいな感じですね。当WMでも、その記事をアップしたら瞬間風速的に会員が増えたことがありました(笑)。それと最後に、ちょんまげ隊長ツンさんのドキュメンタリー『トモにカタールへ!』無料上映とありますが、これは上映作品というよりもイベントのくくりなんですね。

福島 そうです。宇都宮さんのWMでも取り上げていましたが(参照)、昨年のワールドカップ・カタール大会では、さまざまな被災地の子供たち8人を現地に連れて行っているんですよね。その様子を、映画監督の中村和彦さんが出発前からカメラを回していて、今回初お披露目をしつつ、現地でのエピソードをツンさんご本人に語っていただきます。SNSで話題になった、スタジアムでのゴミ拾いの件も、今だから語れる話が出てくると思います(笑)。 

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