宇都宮徹壱ウェブマガジン

3人目のウクライナ人Jリーガーを夢見て 市川SC所属、コブザール・ダニールの物語

 アルゼンチンがクロアチアを下し、2大会ぶりのファイナリストとなった。しかし今週はワールドカップの話題からいったん離れて、今なおロシアの軍事侵攻が続いている、ウクライナに思いを馳せることにしたい。毎年、京都の清水寺で発表される「今年の漢字」に選ばれたのは「戦」。フットボールの祭典に世界中が沸き立つ中にあっても、かの国では戦闘状態が続いていることを決して忘れるべきではない。

 遠く離れた土地の戦争は、事態の長期化によって多くの難民や避難民を生み出し、日本もまた受け入れ先のひとつとなっている。12月7日の時点で、ウクライナからの避難民は2179人。今回紹介するコブザール・ダニールは、8月の半ばに日本にやって来た。20歳の若きフットボーラーは現在、千葉県リーグ1部所属の市川SCに所属している。

「ある知り合いから『そちらで預かっていただけますか?』って問い合わせがあって、練習参加してもらったんです。見てみたら非常にレベルが高かったし、彼自身もここの環境を気に入ってくれたので、すぐに移籍の手続きを取りました。幸い、ウクライナの協会からのレスポンスが早くて、すぐにJFA経由でOK。さっそく公式戦に出したら、ゴールを決めたあとにイエロー2枚で退場という、派手なデビュー戦になりましたね(苦笑)」

 そう語るのは、FC市川GUNNERSの代表で市川SCGMでもある「健さん」こと幸野健一さん。彼との運命的な出会いが、避難民だったウクライナの若者に「フットボーラーとして日本で生きる」という新たな目標を与えることとなった。すでに日本のメディアには、たびたび登場しているダニールだが、当WMではもう少し深堀りを試みることにしよう。

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