キーワードはエンタメ化とZ世代へのアプローチ デザイナーが考えるKリーグの現在地<2/2>
<2/2>目次
*セルフィーをフル活用する韓国のZ世代サポーター
*現代のアーティストたちによる「2002年の記憶」
*ハングルが読めなくてもKリーグは気軽に行ける!
■セルフィーをフル活用する韓国のZ世代サポーター
──再びKリーグに話題を戻したいと思います。Jリーグの客層って、やっぱり中高年が中心となっていて、それはデータにも明確に現れているんですけど、Kリーグの場合はどうなんでしょう? いわゆるZ世代も観に来ているんでしょうか?
鈴木 すべてのスタジアムを訪れたわけではないですが、確かに「若い世代が多いな」という印象がありますね。スタジアムでセルフィーを撮っている姿をよく見かけます。彼らの着ているものも、すごくファンカルチャーを感じさせるものが多いです。彼らに影響を与えているのが、ソウルにある『OVER THE PITCH』というフットボールカルチャーショップなんですけど(と言ってスマートフォンの写真を見せる)。
──すごくおしゃれな感じのお店ですね。ソウルにあるんですか?
鈴木 ソウルの代官山みたいな場所ですね。ここは店舗だけでなく、Kリーグのクラブや韓国代表関連のグッズを作っているオフィシャルブランドもあるんですけれど、韓国の若年層にものすごく寄り添っているんですよね。海外のヴィンテージユニフォームを販売しながら、韓国国内のサッカーとファッションを牽引するような企画を次々と発表しています。コラボ商品が売り出される時は、店舗前に長い行列ができるくらい人気がありますね。
──日本でも、こういう展開はありますか?
鈴木 日本だと 『SHUKYU 』さんでしょうか。『OVER THE PITCH』の場合、インスタに自分たちのアカウントをタグ付けしてもらって、コラボグッズを着用したセルフィーをどんどんアップしてもらうんですよね。それがショップと消費者のポジティブなコミュニケーションになっているんです。
──ショップが自ら発信するのではなくて、若者が着こなしているのを写真で撮ってもらったら、それをピックアップしていくという感じですか?
鈴木 そうですね。若年層からも支持されているということで、さまざまなKリーグクラブやKFA(韓国サッカー協会)とのコラボも実現できているのかなと思います。若者たちもまた、自分たちの写真をシェアすることで、新たなつながりも生まれているようですね。
──Kリーグが今、こんなことになっているとは、まったく知りませんでした! こういう若者への訴求って、Jリーグでも可能なんじゃないかと思うんですけど、どう思います?
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