宇都宮徹壱ウェブマガジン

日本代表への「掌返し」はなぜ起こるのか? 国民的リテラシーとメディアの問題との相関

 11月20日に開幕したワールドカップ・カタール大会。周知のとおり日本代表は、23日のドイツとの初戦で21と劇的な逆転勝利を収めたものの、中3日で迎えた27日のコスタリカ戦では01で敗れてしまった。そして本稿が掲載された翌日の12月1日夜(日本時間2日早朝)に行われるスペイン戦で、この4年間の「答え」が出る。

 本稿ではあえて、日本代表の現状や展望については語らない。では、何について語るかといえば、ドイツ戦の勝利からコスタリカ戦の敗北によって起こった「掌返し」についてである。より正確を期するならば、大会前の「無関心」からドイツ戦で一気に「祝賀」ムードに変わり、そこからコスタリカ戦で一気に「失望」モードに下降したことだ。

 ワールドカップ期間中における掌返しは、ある意味、4年に一度の風物詩とも言える。4年前のロシア大会しかり、8年前のブラジル大会しかり、12年前の南アフリカ大会またしかり。とりわけ2010年の大会では、大会前まであまりにも低評価だった岡田武史監督率いる日本代表が、初戦のカメルーン戦に勝利したことで評価が爆上がりしている。

 大会前の「無関心」から、初戦勝利による「祝賀」ムードという流れは、12年前をトレースしているかのようである。しかし、2戦目が終わった時の反応は、まるで違ったものであった。12年前、カメルーンに10で勝利した日本は、続くオランダには01で敗戦。それでも当時の日本代表や岡田監督が、ファンやメディアからバッシングを受けることはなかった(むしろ応援モードが続いていた)。

 もちろん、今回のコスタリカ戦と12年前のオランダ戦とでは、相手との力関係も試合内容も違っていた。またターンオーバーの有無という点でも違いはある。しかし、それにしても今回の掌返しは、ちょっと尋常ではない。「批判をするな」と言うつもりはないが、SNS上での選手への個人攻撃など、あまりにも逸脱した論調が多いことも非常に気になった

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