宇都宮徹壱ウェブマガジン

令和の大学生から見た「就職先としてのJクラブ」 FC町田ゼルビアのインターン生に訊く<1/2>

 本稿がアップされた頃、日本はサッカー界のみならずお茶の間や職場でも、前夜のドイツ戦の話題でもちきりだろう。それはそれとして、当WMは平常運転。今回はFC町田ゼルビアのインターン生の皆さんにご登場いただく。

「宇都宮さん、ウチのクラブで働いているインターン生を一度、取り上げてもらえませんか?」

 町田の運営・広報部で、インターン管理の責任者でもある岡田敏郎さんから、そんな提案をされたのは今年の夏のこと。何となく忙しくしているうちに季節は移ろい、大学4年のインターン生の就職が決まった10月下旬のタイミングで、グループインタビューをさせていただく機会を得た。

 今回、取材に応じていただいたのが(写真右から)神戸琴葉さん、篠崎友さん、眞道ろこさん。神戸さんと篠崎さんはFC町田ゼルビア、そして眞道さんはツエーゲン金沢への就職が決まっている。長らく中途採用がメインだった、この業界。それでも最近は、新卒採用に積極的なJクラブも少なくないようだ。

 そうした人材の重要な供給源のひとつとなっているのが、各クラブが取り入れているインターン制度。これまでメディアで取り上げられる機会がなかった、制度の実態と実情について、町田の事例から明らかにしていくのが、本稿の第1の目的である。

 そして第2の目的は、在学中にコロナ禍を経験した彼ら・彼女らはなぜ、Jクラブで働くことを選んだのかを知ること。とりわけ「安定志向」とか「内向き」とか言われるZ世代の就職観については、かねてより関心を持っていた。就職が決まったばかりの令和の大学生たちの言葉に、さっそく耳を傾けてみることにしたい。(取材日:2022年10月28日@町田市)

<1/2>目次

*就活と平行しながらJクラブでインターン

*インターン生も「クラブの重要な戦力」?

*甲府のインターン生とのコラボ企画が実現

写真提供:FC町田ゼルビア

就活と平行しながらJクラブでインターン

──あらためまして皆さん、Jクラブへの就職、おめでとうございます。まずはおひとりずつ、簡単に自己紹介をお願いします。

神戸 法政大学社会学部社会学科の神戸琴葉と申します。出身は神奈川で、インターンではグッズ担当をしています。FC町田ゼルビアでの就職が決まりました。

篠崎 篠崎友です。帝京大学経済学部経営学科スポーツ経営コースで、スポーツビジネスを専攻しています。大学では体育会サッカー部に所属していて、インターンでは運営・広報部に所属しています。就職先は同じくFC町田ゼルビアです。

眞道 神奈川県出身で、日本体育大学のスポーツマネジメント学部スポーツマネジメント学科所属、眞道ろこと申します。FC町田ゼルビアでは、9月までは運営・広報部、10月からはマーケティング部のグッズ担当をしております。私は来年から、J2のツエーゲン金沢でグッズ担当としてお世話になる予定です。

──皆さん、それぞれやりがいのありそうな職場ですね。まず確認なんですが、皆さんはゼルビアでインターンをしている間も、いろいろ就活をしていたんでしょうか?

神戸 私はがっつり、やっていました。主にエンタメ業界系で、音楽事務所だったりイベント会社だったり、あとは映画の制作会社とかTV局なんかも受けていましたね。

篠崎 僕も大学3年の終わりから一般的な就職活動はしていたんですが、自分が将来何をやりたいのかなと自己分析した時に、やっぱりJクラブのスタッフで働きたいという結論に至りました。それで岡田さんに相談して、大学4年の4月からはクラブスタッフ1本に絞って、ゼルビアだけでなく8月にはヴァンフォーレ甲府さんでの研修にも行かせていただきました。

──他クラブの研修にも行けるって、素晴らしいですね。

眞道 私も町田以外に、7月の半ばに金沢に5日間、9月の半ばに松本山雅FCさんに2週間ほど研修参加させていただきました。篠崎さんと同じで、岡田さんにつないでいただいて他クラブでの研修も経験できました。ちなみに一般企業の就活については、他の大学生と同じようなスケジュールで並行してやっていましたね。

──就活のプロセスって、エントリーシートを企業に送って、筆記試験や何段階かの面接の末に決まるという流れだと思うんですけど、Jクラブの場合はどのように決まるんでしょうか?

(残り 3758文字/全文: 5507文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック
1 2 3
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ