宇都宮徹壱ウェブマガジン

4年ぶりの全社取材で発見したもの 志布志でのトーナメントを総括する

 私にとっては4年ぶりとなる、鹿児島県志布志市での全社取材から戻ってきた。今大会、優勝したのはブリオベッカ浦安。2位がBTOPサンクくりやま、3位がFC 延岡 AGATAに決まった。大会期間中は毎日、現地での試合の模様をフォトギャラリー形式でお伝えしてきたが、記憶が鮮明なうちに、私なりの大会総括をコラムとして残しておきたい。

 こちらにも書いたとおり、鹿児島で全社が開催されたのは2019年以来3年ぶり。前回の鹿児島大会は3市(霧島、南さつま、志布志)に分散して行われたが、今回は志布志での集中開催。人口およそ2万8000人の自治体に、32チームの選手や関係者が訪れるとなれば、当然ながら宿の確保は困難となる。そんなわけで今回は当初、宮崎空港から南下して日南市で宿を予約し、そこから日南線で志布志に通うという選択をした。

 私にとって鹿児島というと、やはり桜島や天文館や西郷像のイメージが強いため、今回はどうにも「鹿児島に来た!」という実感がなかった。むしろ大会前半は日南を拠点としていたし、往路も復路も宮崎空港だったし、最後に取材したのがヴェロスクロノス都農とFC延岡 AGATAによる「宮崎ダービー」だったこともあって、何となく自分が宮崎にいたような錯覚さえ感じている。

 そんな志布志での全社で、32試合中21試合が開催されたのが、志布志しおかぜ公園。天然芝のグラウンドが3面あるのだが、ABCのピッチの距離はそれぞれ3メートルくらいしかない。隣の試合のホイッスルに反応してしまったり、ボールが飛び込んできて試合が一瞬止まったり、といったアクシデントも往々にして起こり得る。南葛SCの元日本代表の面々も、さすがにこうした試合環境には面食らったことだろう。

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