宇都宮徹壱ウェブマガジン

ベルガロッソ浜田をご存じですか? 島根県でのサッカー旅で考えたこと

 島根県の浜田市で、このコラムを書いている。

 本当は今日(6日)、広島経由で大阪に向かう予定だったのだが、台風11号が山陰地方を直撃。バスも電車も動かなくなってしまい、浜田のホテルを1日延長して、ワーケーションすることとなった。

 今回の取材は『〝サッカー旅〟を食べ尽くせ! すたすたぐるぐる』の島根編。島根といえばJクラブがない7県のひとつだが、JFL所属のFC神楽しまねがある。松江シティFC時代、松江市営陸上競技場で開催されたJFL取材の経験はあるが、考えてみれば松江市以外の地域を訪れたことはなかった。

「そういえば島根には中国リーグに所属している、ベルガロッソ浜田があるじゃん!」

 というわけで浜田にやって来たわけだが、今回はサッカーから見た島根の地域性のみならず、自分自身のサッカー旅についても捉え直すきっかけにもなったように思う。以下、ぽっかりと空いた一日の中で考えたことを、備忘録的に記していくことにしたい。

 まず、今回の旅はアクセスにこだわってみた。島根県へのアクセスといえば、まず空路が思い浮かぶ(ちなみに県内には出雲、石見、隠岐と3つの空港がある)。しかし今回は、サンライズ出雲の一択。現在、日本で唯一の定期運行をしている寝台列車である。東京駅から出雲市駅までは12時間ちょっと。晩酌してからぐっすり休み、朝は大山や宍道湖を車窓から眺めることができる。まさに最高のロケーションだ。

 出雲駅から浜田駅までは、単線でワンマンのJR山陰本線で24駅。こちらは2時間10分かかる。島根県は東西に長く、文化圏は出雲地方と石見(いわみ)地方に大きく分かれている。その両地域の距離感をしっかり体感することができた。ちなみに24駅の中には、五十猛、仁万、馬路、敬川、波子、下府などなど、難読な駅名が多い。全部読めた方はいるだろうか(正解は、いそたけ、にま、まじ、うやがわ、はし、しもこう)。

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