宇都宮徹壱ウェブマガジン

北陸の2つのホームタウンで考えたこと 「背水の陣」の富山と存在感が薄い金沢

 日記にも書いたとおり、先週はカミさんと一緒に富山と金沢を旅行してきた。富山では、20日に富山県総合運動公園陸上競技場にて、J3第21節のカターレ富山対愛媛FCを観戦。同日、石川県西部緑地公園陸上競技場で予定されていた、J2第32節のツエーゲン金沢対V・ファーレン長崎は、コロナの影響で中止となっていた。

 今回の旅の目的は、あくまで観光であって取材ではない。仕事ではないので試合レポートは書かないが、観客目線となるとさまざまな発見があった。つづいて訪れた金沢は、富山から鉄道で1時間の距離感。観光スポットをぶらつきながら、こちらもいろいろ思うところがあった。そこで今回は「北陸のJクラブのホームタウン」という切り口から、あれこれ考察してみることにしたい。

 まずは富山から。この愛媛戦では、富山市民2000名を無料招待し、入場者数6000人弱を見込んでいた。試合前にはクラブの公式ウォーミングアップソング『完全無欠のカターレ』の発表(作詞作曲は『完全無欠のロックンローラー』のヒットで知られる元アラジンの高原兄さん)、さらにハーフタイムには500発の花火が打ち上がることが発表されていた(左伴繁雄社長いわく「富山の人たちは花火に格別な想いがある」そうだ)。

 ところが試合当日は、あいにくの雨。しかも県内では大雨警報や洪水警報が発令された地域もあったくらいだった。幸い雨は前半で止んだので、ハーフタイムでは盛大な花火を拝むことができたし、アディショナルタイムでの劇的なゴールで勝つこともできた。しかし、この日の入場者数は、想定を大きく下回る2640人。翌日の左伴社長のツイートでは、あえて「背水の陣」という表現を用いていた。

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