宇都宮徹壱ウェブマガジン

アビスパ福岡の快挙、そして筑後への旅FUKUOKA蹴球紀行<福岡・久留米篇>

 今週は「夏休み企画」ということで、先週の九州取材のうち福岡県の旅を皆さんに紹介することとしたい。今回は『〝サッカー旅〟を食べ尽くせ! すたすたぐるぐる』の福岡編のための取材だったが、発売日は未定。そこで記憶が鮮明なうちに、写真と共に振り返っておくことにしたい。

 今回訪れたのは、福岡、久留米、大牟田、北九州の各市。アビスパがある福岡やギラヴァンツがある北九州は、Jリーグファンにはお馴染みであろう。では、Jクラブがない久留米と大牟田には、何を目的に訪れたのか? それについては、おいおい語っていくことにしたい。

 旅の入り口は福岡市。8月10日にベスト電器スタジアムで行われたルヴァンカップ準々決勝セカンドレグ、アビスパ福岡vsヴィッセル神戸を取材する。今回は新幹線で博多まで移動したが、スタジアムに近い福岡空港のレストラン街で軽く腹ごしらえをすることに。目指すは「ラーメン滑走路」である。

 今回の旅では、取材先で必ず「ご当地麺類」をいただくことを自らに課した。福岡といえば、とんこつラーメン。とはいえ、同じとんこつでも微妙な地域差があると聞く。ラーメン滑走路にあった『豚そば月や』で食した「クリア豚骨らーめん」は、こんなに澄んだスープなのにとんこつ。途中、天然のかぼす汁をたらしながらいただく。800円。

 アビスパのホームゲームを取材するのは、2015年のJ1昇格プレーオフ準決勝以来だから、実に7年ぶりである。今季のアビスパは、昨シーズンは21世紀になって初めてJ1残留に成功。今季もリーグ戦では苦戦するも、ルヴァンカップでは初の準決勝進出を目指している。

 アビスパのマスコット、アビーくんとビビーちゃん。なんと、この日が19回目の結婚記念日なのだそうだ。昨年には、初のベビーであるスビーちゃんが誕生。「あれ、ハチの子供って幼虫じゃないの?」などというのは愚問である。この日はスビーちゃん、お留守番だったようだ。

 神戸での準々決勝ファーストレグでは、2−1で勝利しているアビスパ。しかしコロナの陽性者が複数名いたため、GK3名を含む15名での戦いを余儀なくされた。この日も、ベンチにいたのはわずかに3名(うち2名はGK)。スコア的には優位に立つも、戦力的には圧倒的に不利だったアビスパ。条件付きで認められた声出し応援が、ピッチ上の選手たちを奮い立たせる。

 試合は、43分のルキアンのゴールが決勝点となり、合計スコア3−1で勝利したアビスパが、ルヴァンカップ準決勝進出を果たした。この日の唯一の交代は、79分のジョン・マリOUT/ジョルディ・クルークスIN。それ以外の10人が、90分間を走り抜き、見事クラブ史に残る勝利を手繰り寄せた。

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