2ステージ制のこと、DAZNとの契約のこと、そして… シリーズ「Jリーグ現代史」中西大介の場合<2/2>
■なぜ「地上波」からDAZNに切り替えたのか?
J1リーグで新たに2ステージ制が開催されたのは、2015年と16年の2シーズンのみ。優勝クラブが決まったCS(チャンピオンシップ)2試合目の関東地区の視聴率は、2015年が前後半とも10.4%、16年が前半9.9%、後半11.7%であった。この数字についての中西の評価は、どうだったのだろうか。
「CSの視聴率については『今でも10%が見てくれるんだ』というのが率直な感想。課題はいっぱいありましたけれど、この時代に地上波で2桁取れたというのは成果といっていいと思います。その一方で考えたのは『今後はTVだけでなく、インターネットと絡ませていかないと、僕らの価値は上がっていかない』ということ。そんなタイミングで、僕が向き合うこととなったのがパフォーム(現・DAZN)との契約交渉でした」
この頃から中西は、IT業界の著名人との付き合いに前のめりになっていく。有名どころで言えば、堀江貴文、夏野剛、藤田晋、などなど。毎晩のように彼らとの会食を繰り返し、ディスカッションしながら「Jリーグ×インターネット」によって何が可能なのか、自問自答を繰り返してきたという。
それにしても、と私は思う。地上波での露出の必要性を主張していた中西は、そこからなぜネット配信の方向に舵を切ったのだろうか? 当人の答えはこうだ。
「自分の中では矛盾はまったくないです。ホリエモンや三木谷(浩史)さんが、なぜニッポン放送やTBSの株を買いに行ったかというと、リーチを取るためにTVが必要だったからですよ。サッカーも同じで、まずは地上波でのリーチ、そしてネットでの深堀り、両方がほしかったわけです。加えていえば、Jリーグのように同時進行で何試合も行われている場合、やっぱりネット中継のほうが相性はいいわけですよ」
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