「ハーフウェイを知る男」が常勝軍団を率いる意義 鹿島アントラーズの岩政大樹新監督に期待すること
鹿島アントラーズのレネ・ヴァイラー監督が契約解除となり、新監督にはクラブOBでもある岩政大樹コーチの昇格が決まった。8月9日のオンラインによる会見に出席したので、今週はこのことについて書いてみたい。もっとも私にとって、J1は主戦場とは言い難いし、ましてや鹿島を定期的に取材しているわけではない。私が言及したいのは、古巣のトップチームを40歳で率いることになった、新監督の履歴についてである。
プロフットボーラー、岩政大樹の輝かしいキャリアについては、今さら多くを語る必要はないだろう。学芸大学から2004年に鹿島に入団。10シーズンの間に290試合に出場(35ゴール)、リーグ戦3連覇とナビスコカップ2連覇に貢献している。2008年には日本代表に初招集。2年後のワールドカップ・南アフリカ大会のメンバーにも選出されている(本大会での出場機会はなし)。
鹿島を退団したのは2013年。翌年、入れ替わるように昌子源が全試合フル出場を果たしたことを思えば、クラブにとっても当人にとっても絶妙なタイミングだった。興味深いのが、その後の岩政の進路。2014年にはタイ・プレミアリーグのBECテロサーサナFC(当時)で1シーズン、帰国後はJ2のファジアーノ岡山で2シーズン、いずれも主力選手としてプレーしている。
岩政が加入して2年目、2016年の岡山は6位でフィニッシュして、初めてJ1昇格プレーオフに進出。準決勝で松本山雅FCを倒し、J1昇格まであと一歩と迫った。しかし、雨のキンチョウスタジアムで行われた、セレッソ大阪との決勝は0−1で終了。岡山と共にJ1に乗り込み、カシマスタジアムに凱旋するという夢も潰えてしまう。試合後のミックスゾーンで、今後のことを問われた岩政は「これから家族と相談します」。それが私が耳にした、Jリーガーとしての最後のコメントだった。
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