必要なアプリは? ホテルは? スタジアムへのアクセスは? ちょんまげ隊長ツンさんが語る「カタール観戦術」<1/2>
【編集部より】今週は、奈良クラブの浜田満社長のインタビューをお届けする予定でしたが、事情により来月の掲載となりました。楽しみにしていた皆さま、申し訳ございません。掲載日が決まり次第「編集部便り」にてお知らせいたします。何卒ご了承ください。
というわけで今週は急きょ予定を変更して、4カ月後にカタールで開催されるワールドカップにフォーカスする。ご登場いただくのは、皆さんおなじみ、ちょんまげ隊長ツンさん。被災地ボランティアと日本代表サポとして有名なツンさんだが、今大会の現地観戦のための情報については(少なくとも私の周りでは)この人が一番持っていると断言できる。
ツンさんは昨年12月にFIFAの招きでカタールを訪れており、その模様についてはこちらに書いたとおりである。それから半年後の6月、ツンさんは現地の情報をアップデートするべく、今度は自腹で現地に滞在。そこで得た情報を、当WM会員の皆さんに共有するのが、今回の企画の趣旨である。
私自身、カタールは馴染み深い国のひとつだが、最後に訪れたのは2013年。ワールドカップ開催に向けて環境が激変する一方、コロナ禍以降で初めて開催される大会ということで、PCR検査での陰性やワクチン接種を証明するためのアプリも必要だ。これを読めば、今から何を準備しておけば良いか、頭の中できれいに整理できる。カタール行きを決めている人も、迷っている人も、ぜひお読みいただきたい。(取材日:2022年6月17日@東京)
※写真はインタビュー時のものを除いてすべてツンさん提供
<1/2>目次
*カタールで観戦した大陸間プレーオフで強く感じたこと
*アプリをインストールしないとスタジアムに入れない?
*国内のeSIM+現地SIMカードのセットが最強な理由
■カタールで観戦した大陸間プレーオフで強く感じたこと
──昨日、帰国したばかりなのに、お時間をいただいて恐縮です。さっそくですが、今回のカタール行きは何泊何日だったのですか?
ツン 10泊11日でしたね。去年の12月は39カ国から45人のサポーターが集められて、それぞれアンバサダーとしてカタールのワールドカップを広めていくことが求められました。中国、韓国、日本、東アジアで唯一、僕がFIFAからのご招待だったので、往復の飛行機代はもちろん、豪華なホテル代や食事代、観光も全部、向こう持ちだったんです。レジェンドである元オーストラリア代表、ケーヒルさんと会食のおまけまでありました。
──そうでしたね。でも、今回は自腹だったとか。そこまでして、現地に向かった理由は何だったのでしょうか?
ツン 2つありました。まずはカタールで開催される大陸間プレーオフを見たかったこと。僕は昔、ジェフユナイテッド千葉とモンテディオ山形のJ1昇格プレーオフは見たことがあるんですが、歓喜と落胆を同時に目撃したのが印象的でした。それでワールドカップ予選でも「天国と地獄」を見ておきたかったんです。
もうひとつは、今回もカタールに被災地の子供たちを連れて行くんですけど、12月にあれほど打ち合わせしたのに、準備がぜんぜん進んでいなかったんです。ですので、この機会にワールドカップの組織委員会(Supreme Committee for Delivery & Legacy)や日本人会、それと現地の学校としっかりミーティングしておこうと。これが2つ目の目的です。
──大陸間プレーオフのカードは、オーストラリア対ペルー、そしてニュージーランド対コスタリカでした。前者はオーストラリアが日本と最終予選で同組でしたし、後者の勝利チームが本大会で日本と対戦します。どちらも日本にとって、非常に気になるカードでした。
ツン 実はUAE対オーストラリアも、1週間前に見ているんですよ。そのために僕、国立の日本対ブラジルを断念して、6月6日に出国しているんです。絶対に負けられない試合で、オーストラリアが2勝して出場権を獲得する姿を見るのは、なかなか感動的でした。いずれにせよ、次の2026年大会は出場国数が48に増えるので、これほどテンションの高いプレーオフが見られるのは、おそらくこれが最後でしょうね。
──でしょうね。チケットは現地調達だったと思うんですが、いくらでした?
ツン びっくりしますよ。30(カタール・)リヤルですから1000円ちょっとですね。カタールは人口の9割くらいが外国人労働者なので、彼らが買い求めやすいように安く設定されていたと思うんですけど、それでもスタンドはガラガラでした。ちなみにオーストラリアのサポーターはちょぼちょぼ、ペルーのサポーターは8000人くらいでしたかね。
──8000人ということは、カタールの街中は赤タスキのレプリカを来たペルー人がたくさんいたわけですね?
ツン そうです、そうです。もちろん、スタジアムの応援も盛り上がっていましたが、試合前は街中がペルーのサポーターだらけでした。これ大事なんですよね、中立開催の場合は。それで結局、ペルーはPK戦でオーストラリアに負けてしまうわけですよ。熱い南米のサポーターだから、敗戦を受け入れることができずに大暴れするんじゃないかって、思うじゃないですか。あるいはピッチに向かってモノを投げ込むとか。
──結局、どうなったんですか?
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