宇都宮徹壱ウェブマガジン

【無料公開】2002年ワールドカップから20年後の横浜で ヨコハマ・フットボール映画祭2022<2/2>

元日本代表監督フィリップ・トルシエは何を語るか?

©YFFF

──今回も映画上映以外にも、さまざまなイベントが準備されているようですが、いくつかピックアップしていただけますでしょうか?

福島 まず『サロン・ドゥ・トルシエ 言いたいこと全部言いますSP!』と題し、元日本代表監督のフィリップ・トルシエさんにオンラインでご登場いただきます。今はワイナリーの経営をしつつ、サッカーの指導にも関わっているトルシエさんに、20年前の思い出をいろいろ深掘りしようと考えています。

──司会はアーセナルファンとしても有名な、タレントの笹木ゆかりさんですね。こちらも楽しみです。

佐藤 それと福島さんが話していた、倉敷さんと西岡さんによる『バモス!実況席から見た世界 実況アナの両巨頭がサッカー愛を語る』にも、ぜひご注目いただきたいですね。プロの実況の世界とはどのようなものか、おふたりのお話から感じ取っていただいて、それから『バモス!ドミンゴ』をお楽しみいただければと思います。

──あともうひとつ、1日目の夜に行われる『世界一多彩なキャリアプランを描ける日本の育成を語ろう!』。これはどういったイベントですか?

福島 今回の上映作品とは直接リンクしていないのですが、YFFFでは普段あまり注目されていないテーマについてもイベントとして取り上げたいと考えております。「日本の育成」といえば、クラブユースと高校サッカーが対立項として語られてきた歴史があります。けれども最近は、三笘薫のようにクラブユースから大学を経てJリーガーになって日本代表となり、ワールドカップ出場の原動力となるケースも出てきました。

──さまざまな選択肢があるのが、実は日本サッカーの特徴であるのではないか、という話ですよね?

福島 そういうことです。いろいろ選択肢がある中で、海外でプレーする選手も増えてきているというのは、日本サッカーのひとつの到達点なのかもしれません。そういったテーマで、筑波大学蹴球部監督の小井土正亮さんと、サッカーライターの土屋雅史さんに語っていただこうと思っています。

──個人的には『第3回Jサポフリーペーパーサミット』というのも気になります。

福島 僕たちは、映画を通してサッカーを盛り上げようとしているわけですが、それをフリーペーパーで実現させようとしている人たちもいます。今回はそのうち4媒体の方々にお集まりいただくことになりました。漫画や小説や映画なんかもそうですが、プロとアマチュアの差が曖昧なところが日本文化の良さだと思っています。こうしたイベントをきっかけに「自分でも何かやってみようか」と思っていただける人たちをひとりでも増やしていきたいですね。

──それにしてもYFFFも今回で第12回。第1回からずっとウォッチしてきましたが、佐藤さんのように頼もしい若手が、どんどん関わるようになってくれるようになったのが嬉しいですね。

福島 本当にそう思います。去年のYFFFはコロナ禍で延期になりましたけれど、一方でオンラインのツールを使いこなしているうちに、協力してくれる人がどんどん増えていったように感じます。もちろん、コロナで大変な思いをされている方も多くいらっしゃるわけで、軽々しいことは言えません。それでもYFFFについて言えば、世の中の流れに上手く乗せることができたように感じています。

──最後に佐藤さん、2002年ワールドカップから20年という節目で行われるYFFFについて、一言お願いします。

佐藤 2002年当時、僕は小学3年生でしたけれど、ブラジルとドイツの決勝はよく覚えています。それから20年後、決勝の舞台となった横浜で行われる映画祭ということで、作品上映もイベントも内容の濃いものをご用意させていただきました。6月4日と5日はぜひ、神奈川区民文化センターかなっくホールに足をお運びください!

──福島さん、佐藤さん、今日はありがとうございました。

<この稿、了>

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