宇都宮徹壱ウェブマガジン

なぜ野々村チェアマンはTwitterをやらないのか 新体制となったJリーグの発信力不足を危惧する

 5月15日の日曜日は「Jリーグの日」。各地で開催された14試合の中で私が選んだのは、AC長野パルセイロと松本山雅FCによる「信州ダービー」であった。試合については別媒体に執筆予定だが、この信州ダービーこそが29回目の「Jリーグの日」に、最もふさわしい試合であったと強く感じた。

 1993年にJリーグが開幕した時、長野県はもちろん北信越地域すべてが「蚊帳の外」であった。それから29年。北信越5県のうち4県にJクラブがあり、長野県には2つのJクラブが並立している。しかも両クラブとも、球技専用スタジアム。今季のJ3では5つのダービーがあるが、ホームもアウェーも専スタで行えるのは長野だけ。そこに1万3244人もの観客を集めて、結果はスコアレスドローに終わったものの、極めて熱量の高い試合が行われたのである。

 GW初日に国立競技場で行われた、FC東京対ガンバ大阪も確かに感動的だった(観客数は4万3125人)。一方の信州ダービーには、花火や照明などの派手な演出もなければ、代表クラスの選手もいない。それでも観る者を感動させる試合が、地方都市での3部リーグの試合で実現できたのである。これほど「Jリーグの日」にふさわしい試合が、他にあっただろうか?

 ところで5月15日といえば、Jリーグが新体制となってちょうど2カ月に当たる。新たに就任したチェアマンや常勤理事の皆さんは、この日にどんなツイートをしたのだろうか。気になってリサーチしてみたのだが、タイムライン上でメッセージを確認できたのは、髙田春奈理事のこちらのツイートのみであった。

 ちなみに他のメンバーで唯一、Twitterアカウントを持っているのは並木裕太理事だが、2年前の8月9日にRTしたのが最後となっている。最も発信力がありそうな野々村芳和チェアマンは、実は独自のアカウントを持っていない。

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