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『ディエゴを探して』著者インタビュー 藤坂ガルシア千鶴にとっての「2度目の旅」part2

『ディエゴを探して』著者インタビュー 藤坂ガルシア千鶴にとっての「2度目の旅」part1

 今週は、今年7月に『ディエゴを探して』(イースト・プレス)を上梓した、アルゼンチン在住のライター、藤坂ガルシア千鶴さんの著者インタビューを動画でお届けする。part1では、本書が生まれた背景と経緯について語っていただいた。このpart2では、ガルシア千鶴さんの取材者としてのスタンスについて、同業者目線での深堀りを試みている。

 ガルシア千鶴さんがアルゼンチンに渡ったのは、元号が昭和から平成に変わった1989年のこと。すでにマラドーナは「ナポリの王様」になっていた。マラドーナが再び祖国でプレーするようになったのは、ニューウェルズ・オールドボーイズに移籍した1993年。しかしガルシア千鶴さんは、いくらでもチャンスがあったにもかかわらず、マラドーナと1対1のインタビューは一度も行うことはなかった。

「もし一度でも彼にインタビューしていたら、この本を書くことはなかったと思う」とガルシア千鶴さん。その理由を尋ねると、同じ書き手として非常に興味深い答えが返ってきた。また「あえて書かなかったこと」や「あえて取材しなかった人」についても、彼女は包み隠さずに語ってくれた。本書をすでに読んだ人も、まだ読んでいない人も、最後までご覧いただければ幸いである。(2021年9月16日、オンラインにて取材)

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