トラック付きのスタジアムはわれわれの敵なのか 「47都道府県のフットボールがある風景」より
日記にも書いたとおり、4泊5日の「白地図を塗りつぶす」旅から戻ってきた。今回、新たに撮影できたのが、兵庫県と愛知県。どちらも代表戦では何度も訪れているが、前者はヴィッセル神戸のホームゲームを取材したことがなかったし、後者については「サッカーどころ」刈谷市が未踏の地であった。ついでに言えば、メリケンパークとか名古屋城といった、いわゆるベタな観光スポットにも、この機会にようやく訪れることができた。今さらながらに、ホテルとスタジアムだけを往復していた日々が、実にもったいなく思えてならない。
今週も、現在準備中の写真集「47都道府県のフットボールがある風景」(仮)に掲載予定のコラムをWM会員に先行してお届けする。先週のコラムでも書いたとおり、本書では47都道府県の紹介とは別に「旅とフットボール」というテーマで5本のコラムを書くことになっている。前回の「移動」については、こちらが予想していた以上の反響をいただいたが、今回のお題は「スタジアム」。ただし、今流行りのフットボール専用スタジアムではなく、全国津々浦々でよく目にするトラック付きのスタジアムについてである。
フットボール専用の素晴らしさについては、今さら多くを語る必要はないだろう。観客の立場からすれば、トラックのないピッチのほうが断然見やすいし、プレーの臨場感もストレートに伝わってくる。そもそもヨーロッパでは、フットボール専用がスタンダード。Jリーグも専スタを推奨している。そんな背景もあって、何となくわれわれは「専スタは素晴らしく、陸上兼用は最悪」という先入観がこびりついているような気がする。かくいう私自身、ある種の「専スタ至上主義」的な考えの持ち主であった。
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