批評精神を支え続けて13年 森哲也編集長の退任に寄せて
「サッカー批評」時代から13年、批評という媒体とともに歩ませていただいた編集人生でした。長い間、お付き合いいただきありがとうございました。今号から新体制に移行。新しい感性と熱量で編まれる批評を今後もよろしくお願いいたします。読者の方からの叱咤激励こそ雑誌の原動力です。今まで以上に厳しいご意見を編集部にドシドシお送りください(笑)(森)
このほど発売された『フットボール批評 issue26』の編集後記からの引用である。雑誌不況が常態化して久しい昨今、編集後記をすみずみまで熟読する人間というものは、よほどの変わり者かズブズブの同業者であろう。しかし今号の批評については、自宅に届いてすぐさま編集後記からチェックした。長年にわたり編集長を続けてこられた森哲也さんが、ついに退任することとなったからだ。実はこの夏、森さんご自身から今回の話はうかがっていたのだが、正式リリースとなるとやはり感慨もひとしおである。
こうなると森さんが編集長に就任した、最初の批評を読み返してみたくなる。さっそく本棚から引っ張り出てきたのが『サッカー批評 issue33』。発行日は「2007年1月9日」となっているが、前年にドイツで開催された06年ワールドカップの結果を受けて発売されている。特集タイトルは「【近未来への提言】オシムを殺すな」。こうした挑発的なタイトルこそ、森編集長時代の真骨頂であった。この号の編集後記で、若き編集長(当時28歳)は、このように書いている。
草の根サッカーからJリーグ、日本代表を通して、「日本に生まれて良かった」と心から思えるような瞬間をこれから何度も味わいたい。そういう瞬間を読者の方々と共有したい。そんな思いを勝手に込めてこれから紙面づくりに邁進する所存です。(森)
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