歓喜の辛島監督と達観していた田中監督 地域CLを彩ったキャラの濃い指揮官たち
気がつけば私にとり、国内サッカーで「最大のイベント」となりつつある地域CL。今年も1次ラウンドと決勝ラウンド、それぞれ3日ずつの取材をコンプリートすることができた。以前にも触れたとおり、今年からは決勝ラウンドが中1日休みの5日間となり、水曜日から日曜日までの開催となった。そうなると気になるのが、日本代表の試合とのバッティング。幸いキルギス戦は火曜日で、しかも豊田での開催だったので、早朝の新幹線に乗って10時45分キックオフの第1試合に何とか間に合うことができた。
今大会を総括するにあたり、まず言及しなければならないのは、決勝ラウンドの日程に関して。この件については、長年この大会を観戦している吉田鋳造さんがこのようなツイートをしている。この意見については、私も大筋で賛成。この決勝ラウンドを戦った監督たちも、口を揃えて「中1日の休みはやはり大きい」と語っている。一方で3試合フル出場したある選手は「あんまり(中1日の休みは)関係ないです。むしろ気持ちを切り替えるのが大変でした」。これはこれで貴重な意見だと思う。
1次ラウンドが3日連続開催なのに、決勝ラウンドが1日休みの5日開催というのは、あまり意味がないのではないかと個人的には考えている。本当に休息が必要なのは、むしろ突破が厳しい1次ラウンドのほうではないだろうか。この日程問題については、当事者たちへの調査を踏まえた上で、きちんと検証すべきであろう。なお、もうひとつの改革の柱であるPK戦廃止については、「非常にわかりやすかった」という意味で良かったというのが私の評価。これについては、おそらく今後も継続されるだろう。
さて、今年の地域CLについて端的に総括するならば、「非常に面白い大会であった」という一言に尽きる。どれくらい面白かったかというと、この大会をベースに丁寧な追加取材をすれば、240ページの書籍が上梓できるくらいのコンテンツが詰まっていた。とりわけ個人的に興味深く感じられたのが、それぞれの監督のキャラが極めて濃かったこと。1次ラウンドでは、北海道十勝スカイアースの梅山修監督が印象的だったが(参照)、決勝ラウンドに進んだ監督たちも実に個性派揃いであった。
たとえば、世界基準では無茶苦茶なレギュレーションに文句ひとつ言わず、実に泰然自若としていた刈谷のビラ・ヴェイガ監督(出身はブラジル)。たとえば、FC琉球やニューウェーブ北九州を昇格させた実績を持ち、3戦全敗に終わっても晴れ晴れとしていた、J.FC MIYAZAKIの与那城ジョージ監督。本稿では見事JFL昇格を果たした、鈴鹿アンリミテッドFCの辛島啓珠監督、そして松江シティFCの田中孝司監督という、ふたりの指揮官にスポットを当てることにしたい。
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