宇都宮徹壱ウェブマガジン

リージョの神戸監督就任と「こんにちは!サッカー」「女子サポを増やしたい」という想いを届けるために

 3連休の最終日となった9月1日、ヴィッセル神戸の吉田孝行監督の(事実上の)解任、そしてスペイン人のフアン・マヌエル・リージョの新監督就任が発表された。直後のtwitterのタイムラインは騒然。何しろジョゼップ・グアルディオラが「師と仰ぐ」カリスマ指導者がJリーグで指揮を執るのだ。彼の来日は、1995年のアーセン・ベンゲル(名古屋グランパスエイト=当時)、2004年のイビチャ・オシム(ジェユナイテッド市原=)に匹敵するインパクトをもたらすだろう。

 もっとも日本の報道を見ていると、「神戸のバルサ化」という見出しが独り歩きしているのが気になる。グアルディオラの師匠筋であるものの、リージョ自身は一度もバルセロナを率いたことはない。優れた戦術理論家であるのは間違いないが、これまで率いてきたのはオビエドやテネリフェやサラゴサ、あとはチリ代表(アシスタントコーチ)やコロンビアのアトレティコ・ナシオナルなど、いずれも地味な印象は拭えない。バルサへの影響は間接的であり、しかも彼自身はタイトルとは無縁の指導者人生を歩んできた。

 もちろん、リージョが神戸を率いることで、当該クラブのみならずJリーグ全体に良い影響を与えることは、大いに期待してよいと思う。一方で気になる点がふたつ。まず三木谷浩史オーナーが、どこまで結果度外視で新監督にチームを委ねることができるのか。そして「新監督リージョ」のインパクトが、ライトなファンにどれだけの効果があるのか、である。とりわけ後者については、イニエスタのすごさは理解できても、リージョが神戸で指揮を執る意義を理解してもらうには、前提となる知識がそれなりに必要となるからだ。

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