「結果を出せば、世論はひっくり返るんですよね」 ワールドカップ総括対談(清水英斗&宇都宮徹壱)<2/2>
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■川島の不調はハリルホジッチ解任の影響か?
──ここから日本代表の話に移りたいと思います。つい昨日、Yahoo!個人ニュースでアップされた日本代表の総括の原稿は、渾身の力作でしたね(参照)。
清水 ありがとうございます。あれを書いて体調を崩したんですよ(笑)
──すごく響いたのは、今回の日本代表はチームマネジメントの面での「ボトムアップ」が非常に効果的だったという部分でしたが。
清水 ちょっと皮肉めいた話ではあるんですけれども、選手が反乱を起こしたからこそ、結果的にボトムアップになったわけであって(笑)。でも「ボトムアップ」という言葉しかなかったんですよね。
──その反乱に関しては、選手の間でも明らかなグラデーションがありましたよね。反乱の最右翼は「本田圭佑だった」というのが定説になっていますが。
清水 態度がわかりやすいのは、乾(貴士)や岡崎(慎司)でした。「ハリルさんが監督のままだったら自分は呼ばれていなかった」と発言していますけれど(参照)、要するに「ハリルとは違うサッカーをやりたい」っていうことですよね。それは本田も一緒だけど、でも彼らの中にもグラデーションがあった。
何だかんだ言って本田は、ハリルだろうが西野朗だろうが、本大会直前になれば同じようにチームに尽くしたんじゃないかと思っています。「ハリルとは違うサッカーを」という考え方が右側にある一方で、「自分はどっちでもいい」という中間層の選手がいて、一番左側にいたのが川島永嗣だったと。
──解任が発表されて、まっさきに自身のブログで「3年間共に目指してきた監督と一緒に戦えなくて心から残念に思う」と書いていましたからね(参照)。
清水 もっと言うと、3月のウクライナ戦ではあれだけいいプレーをしていた川島が、本大会でなかなか乗れなかったのも、それが理由だったと思っています。というか、あんなに急激に調子を落とすのは、どう考えてもおかしいですから。実際、川島には(ミックスゾーンで)何度も話をきいていますけど、「無理してポジティブに前を向く必要はない」みたいなことを言っていて、他の選手とのニュアンスの違いを感じましたね。
──じゃあ彼は、西野さんのチームで孤立していたと?
清水 考え方は孤立していたかもしれないです。西野ジャパンも最初は雰囲気がバラバラだったけど、さっき言った中間層の選手たちは、徐々に順応して、前を向こうとなった。でも、なかなかスイッチを切り替えられなかったのが川島だったのかなと。大会中、あれだけ批判されるのも、かわいそうだなと思いましたね。
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