宇都宮徹壱ウェブマガジン

【無料公開】新天地で充実するふたりの指揮官(2018年4月25日@味スタ)

 ゴールデンウィーク直前の水曜日は、J1のFC東京対サンフレッチェ広島を取材。思えばミッドウィークの取材も、味スタを訪れるのも、実は今季初めてである。FC東京は現在2位、そして広島はぶっちぎりの1位。このカードが「天王山」となることを、シーズン前に予想した人は決して多くはなかったはずだ。

「今季初めての敗戦だが、求められるのは切り替えること。リーグ戦でも負けると、これだけ悔しい。この気持ちを大事にして次の試合に臨みたい」(広島・城福浩監督)

「われわれは初めから、すべて出しきって挑むしかなかった。駆け引きせずに試合に集中して入ったのがよかった」(FC東京・長谷川健太監督)

 2位のFC東京が勝利したことで、広島との勝ち点差は6に縮まった。さらに1ポイント差で川崎フロンターレ、北海道コンサドーレ札幌、セレッソ大阪が追走しており、ワールドカップ中断前には、上位陣はさらに混戦模様になりそうな気配である。

 それにしても、勝った長谷川監督も敗れた城福監督も、新天地でこれほど早い段階から結果を出すとは、当のサポーターにとっても嬉しい誤算だったのではないか。ふたりの指揮官の充実ぶりを確認できたという意味でも、このカードを選んで正解であった。

 おりしも、今後の日本代表監督の人事は「日本人路線で」という方針で決まりそうだ。その是非はともかく、彼らもその候補者として推挙される可能性は、十分にあり得るのではないか。

<この稿、了>

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ