大阪ダービーの「SS旗事件」をどう考えるか 背景に見える日本人の内向き思考と無頓着さ
先週末、3年ぶりに開催されたセレッソとガンバによる大阪ダービーで、ガンバのサポーターがナチスドイツ親衛隊「SS」を想起させるフラッグを掲げたことが、ネット上で議論の的になっている(事の経緯については、こちらが参考になるだろう)。ちなみに、これを書いている4月20日20時の時点では、この件に関しての当該クラブ、そしてJリーグからの正式なアナウンスはない(編集部註:同日深夜にガンバ大阪が本件に関する声明をリリース)。
実のところ私は、この問題についてどこまで言及してよいのか迷っていた。試合当日、私は現場にはいなかったし、この件に関して特に取材をしているわけでもない。さらに言えば、ガンバのゴール裏やクラブの内情に詳しいわけでもない。では、この問題に対して、大手メディアよろしくスルーを決め込むべきなのだろうか。いやいや、それではあまりにも居心地が悪い(というか、この件に関してメディアが沈黙しているのも実に不思議だ)。今後、Jリーグで動きがあったり、新たな事実が報じられたりするかもしれない。よって本稿では、以下の3点について考察を試みることにしたい。すなわち──。
(1)なぜ「SS」が問題となっているのか?
(2)なぜナチスのイメージは日本で「受容」されるのか?
(3)この問題に関してJリーグはどう対処すべきか?
念のため申し上げるが、本稿はガンバ大阪というクラブと一般サポーターを糾弾することを目的に書かれているのではない。むしろこの手の問題は、どのクラブでも起こり得ることだと個人的には思っている。何が問題なのか、背景には何があるのか、事件によって生じるリスクは何か。これらを整理・精査した上で、再発防止の議論が深まってゆくことを強く願う次第だ。
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