宇都宮徹壱ウェブマガジン

「ルヴァン」が記憶に刻まれた日 Jリーグと浦和レッズ、それぞれの挑戦について

 先週の土曜日に開催された、浦和レッズとガンバ大阪によるYBCルヴァンカップ決勝。「わが国を代表するクラブ同士の戦いにふさわしく(中略)両チームとの最後までいい戦いをしてくれました」という村井満Jリーグチェアマンの言葉どおり、1-1のスコアできっ抗したゲームは、PK戦に勝利した浦和が見事トロフィーを掲げた。試合のレポートについては、すでに出尽くした感もあるだろうから、大会主催者であるJリーグ、そして優勝した浦和について、個人的に感じたことを記すことにしたい。

 まず、Jリーグについて。周知のとおり今大会はグループリーグ終了後に「ヤマザキナビスコカップ」から「YBCルヴァンカップ」に名称変更した。これはスポンサー会社のライセンス終了による商号変更によるもの。とはいえ、四半世紀も続いた「ナビスコ」に対するサッカーファンの愛着と馴染みは深く、短期間で「ルヴァン」という新名称を浸透させる試みは決して容易ではなかったはずだ。そこでまずJリーグ側が実施したのが、アニメ『ルパン三世』とのコラボレーションである。

 実はこのアイデア、ルヴァンカップの名称発表の頃からtwitter上で話題になっていた(参照1) 、(参照2) (参照3)。これらのツイートにJリーグ関係者がインスパイアされたことは容易に想像できる。「アイデアをパクった」というよりも、こうしたファンの反応を柔軟に企画に活かした点を、むしろ評価すべきであると個人的には思っている。

 このコラボ企画では、街頭やSNSPR動画を10月3日より配信。アニメーション部分は静止画とし、Jリーグのアーカイブ映像とトロフィー、そしてルヴァンのロゴを上手くいかしながら、ルパン三世(栗田貫一)と銭形警部(山寺宏一)の声を被せている。さほど手数をかけずに、見るものにインプレッションを与える水際立った演出。アイデアの柔軟性に加えて、短い期間と限られた予算で効率的に訴求しようとするクリエイティビティには、非常に目を見張るものがあった。

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