「サポーターは基本的にコスモポリタニズムですよ」 清義明(『サッカーと愛国』著者)インタビュー<2/4>
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■起こるべくして起こった「JAPANESE ONLY」事件
──話は2002年から一気に12年後に飛ぶんですが、2014年にJリーグのスタジアムで立て続けに起こった「JAPANESE ONLY」事件と「バナナ」事件。清さんは、この一連の事件は必然的だったと思いますか?
清 こうなるのは時間の問題だと思っていましたね。少なくとも浦和のサポーターを取材している人たちの間では、そういった差別意識を持った人がいるというのは公然の秘密だったと思います。それを見逃していたというのは、メディアとしてどうなんだろうというのは思っていました。
じゃあ、なぜあのタイミングだったかというと、新大久保とかで問題になっているヘイトスピーチがニュースバリューを持つようになったということ。ああいうものは差別でいけないことなんだ、と皆が気づいてきた。それで炎上したわけです。ちなみにあの「JAPANESE ONLY」の横断幕を最初に告発した人は2人いるんですけど。
──そうなんですか。そのうちのひとりの方には話を聞きました。
清 僕は両方とも話を聞いたんですけど、ふたりとも新大久保とかで何が起きているのをよく知っていたし、これは完全アウトだからアクションを取らなきゃいけないというのを確信していました。まあ、事件そのものは非常に残念ではありますけど、その後のJリーグとサッカー界の対応が素早かったのは救いですね。
──Jリーグのアクションが早かったのは、村井(満)さんがチェアマンになったことも大きかったと思いますよ。申し訳ないですが、慎重な前任者だったらあそこまで迅速ではなかったと思います。
清 それもあると思います。また1カ月ぐらいかけて処分が出るとか、いつものパターンでしょ。ですから僕自身は、村井さんのことは高く評価しています。
──「JAPANESE ONLY」事件の時は、清さんもSNSを通していろいろと発信していましたが、今度は身内で「バナナ」事件が起こったときは大変だったんじゃないですか?
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