宇都宮徹壱ウェブマガジン

「日本サッカーの父」クラマーさんが死去

150918_tagma!

「日本サッカーの父」デットマール・クラマーさんが亡くなった。享年90歳(参照)。

今年6月9日に『日本サッカーリーグ(JSL)発足50周年パーティ』が開催された際は、ご本人も来日を熱望されていたものの体調が思わしくないとのことでメッセージのみの参加となった。親友である岡野俊一郎さんには「ドクターの許可がもらえず、みんなに会えないのが本当に残念だ」と、電話で涙ながらに語っていたそうだ。いつか「その日」が訪れることを覚悟していたが、やはり喪失感は想像以上だった。私の世代でさえそうなのだから、岡野さんをはじめクラマーさんから薫陶を受けた東京・メキシコ五輪世代の皆さんの悲しみはいかばかりであろうか。

写真は、今から10年前の2005年にドイツで行われたFIFAコンフェデレーションズカップ取材のときに撮影した、当時80歳のクラマーさん。あの時、もっといろいろとお話を伺っておけばよかったと、今さらながらに悔やまれてならない。クラマーさんの提言からスタートしたJSLのノウハウと人材は、その後、Jリーグにしっかりと受け継がれて今に至っている。そして、Jリーグの立ち上げに尽力されたレジェンドたちの多くが、直接的であれ間接的であれクラマーさんから多大な影響を受けていることは周知のとおり。現在、Jリーグを楽しんでいるすべてのサッカーファンにとっても、クラマーさんは大恩人と言えるだろう。

謹んでご冥福をお祈りします。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ