アカデミーレポート:(無料記事)令和6年度 第103回全国高校サッカー選手権へ向けて、長崎県代表の長崎総科大附属が公開練習
12月3日、長崎市の「長崎県体育協会人工芝グラウンド」で、2年連続10回目の全国高等学校サッカー選手権出場を決めた長崎総合科学大学附属高校サッカー部が、大会に向けた公開練習を行なった。
長崎総科大附属は、小嶺忠敏総監督の頃から選手権前に取材を受けるのは公開練習のみが伝統のため、練習場に大勢のマスコミが詰めかける中、部員達は基本的なメニューを軽めにこなしつつ調整。
チームを率いる定方敏和監督は「怪我人もいないので、ここから(チームの状態を)上げていきたい。チームの約束事や決め事をハッキリさせながら、いかに質を高めて、その中でハードワークできるかが大事」と語り、「去年に比べて突出した選手はいないが攻撃も守備も全員で戦うチーム」と今年のチームを分析。
「初戦で当たる正智深谷高校は、強豪がひしめく埼玉の代表。選手や戦術はウチより上だと思うのでチャレンジ精神でいきたい」としつつ、「選手も国立まで行きたいと話していますし、第100回大会の時に小嶺先生を国立まで連れていけなかったので、新国立までいきたいと思います」と大会の抱負を語った。
2年次にもレギュラーとして選手権を経験している背番号10の宇土尊琉は、「県大会を優勝してホッとしたし、対戦相手も決まってチームのムードは高まっている。この雰囲気を落とさないように声かけをしていきたい。去年の選手権では個の違いを見せられて悔しい思いをしたので、今年は得点が取れるボランチになることを意識してやってきました。ですが、県大会でゴールできなかったので、全国大会でゴールを決めたいと思います」と大会の意気込みを語った。
今年の3年生は小嶺監督が亡くなった年に1年生として入学した世代で、エースの坂本錠も「入学の面談のときに「今、小嶺先生が亡くなられた」と言われて、お父さんも、僕も「小嶺監督がいるから長崎総科大附に行きたい」というのがあったのでビックリしました」という。入学後もセカンドチームに落ちてモチベーションを失うときもあったという坂本だが、今年は見事にエースとして成長。自身の成長について「自分のできないことより、できることをやろうと思ってここまできました」と語り、選手権では「大会得点王を狙いたい」とコメントした。
入学前に名将「小嶺忠敏」が亡くなると悲報を受け、1年時は選手権出場を逃がし、2年時の選手権では初戦で先輩たちが敗れる様を見て、今年も県の新人戦・高総体で苦戦しながらも最後に選手権出場を勝ちとった世代は、ここから最終調整をして冬の大舞台へと向かう。
12月2日から始まる選手権本大会で長崎総科大附属はどんな戦いぶりと成長を見せてくれるのか。楽しみに待つこととしよう。
reported by 藤原裕久