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アカデミーレポート:プリンスリーグ九州1部 第12節 長崎U-18対熊本U-18 ~長崎U-18が酷暑の中で勝ちきり上位浮上の足がかりをつかむ~

9月14日、V・ファーレン長崎U-18は雲仙市の国見総合運動公園多目的芝生広場でロアッソ熊本U-18とプリンスリーグ九州1分 第12節を戦い、3対2で熊本を破りリーグ7勝目を挙げた。

リーグ序盤から着実に勝ち点を重ねて第5節で首位に立ちながら、過去に例を見ないほど故障者が相次ぎ5月からのリーグ戦でまさかの4連敗。8月末から徐々に立て直してものの、前節を終えた時点で3位に停滞。今節の熊本戦は正念場の一戦となっていた。

今節の相手である熊本は前期リーグ戦、九州クラブユースで長崎と2度対戦し、長崎が2連勝。2試合とも熊本がボールを保持するもののアタッキングサードの精度を欠き、耐えて速攻の長崎が勝ちきっているが、今回の対戦も同様の展開となった。

トップの白濱光人に裏を狙わせつつ、右サイドの髙村颯太・澤本和冴、左の元松蒼太、トップ下の森平一輝、麻生暖琉らがゴール前、サイドでチャンスを狙うがクロス精度を欠きノーゴール。

立ち上がりこそやや受け身になった長崎だが、前半の飲水タイムに相手の精度不足を踏まえた「最後のところで相手が勝負してくるので、そこに入ったときにしっかりやっていけば、もう前でやらせてる分はもう問題ないし、抜かれても相手のミスがあるから最後まで諦めるな」という原田武男監督の指示を徹底。

すると、45分に相手ゴール前で森平からボールを奪った宮崎陽がドリブルで持ち込み、最後は流し込んで先制ゴール。さらに前半アディショナルタイムにもこぼれ球を宮崎陽がすかさずシュートし2対0。

後半にサイドよりポケットを狙った攻撃に切り替えて攻める熊本だが、35度の猛暑ので動きが落ちた58分に長崎は鳥越朔太郎が勝負を決定付ける3点目。だが、猛暑で互いの動きが落ちたオープンな展開の中、88分に熊本の東哲平、試合終了間際に澤本にゴールを許し1点差とされ守備面で課題を残して試合を終了。

試合後の原田監督は「勝つことができたのは非常によかったかなと思います。失点の起点が2つともセットプレーなんですけど、集中力とチャレンジする姿勢、あとは無理に行く、行かないの判断は修正しなければ」と反省点を指摘。それでも「この暑さと消耗がある中なので、仕方ない部分もあるのかもですが・・」と試合環境の厳しさを考慮していた。

同日に開催されていた試合で、消化試合が長崎より1つ多い2位の日章学園が引き分け。、1試合少ない長崎が勝ち点差2の3位につけており、自力での2位浮上の芽が出てきた。まだまだ故障者が多い点は気がかりだが、着実に地道にV・ファーレン長崎U-18が調子を取り戻してきている。そう感じさせる酷暑の中のゲームだった。

reported by 藤原裕久

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