長崎サッカーマガジン「ViSta」

アカデミーレポート:プリンスリーグ九州第17節 V・V長崎U-18対大分トリニータU-18~逆転でのプレミア参入戦を目指すも、勝利後の歓喜を得られず~

12月2日。諫早市サッカー場。

試合を終えた大分トリニータU-18の選手たちがボールを蹴っている。蹴っているのは試合に出なかった選手たちだ。ボールを蹴られる喜びからか、その表情は笑顔である。

一方、逆サイドには同じく試合を終えたV・ファーレン長崎U-18の選手たちがいた。こちらは試合に出なかった選手までが一様に下を向いている。そこに笑顔はない。

試合終了直後の光景は逆だった。

倒れ込む大分U-18の選手たち、勝利を喜び合うV・V長崎U-18の選手たち。だがわずか数分でその光景が変わった。同日開催されたリーグ首位の鹿児島城西と2位で追う日章学園の直接対決が0対0の引き分けに終わり、V・V長崎U-18のリーグ3位が決定。チームの目標であったプレミアリーグ昇格の望みは断たれてしまった。

2023シーズンの終わりである。

前節、中位のアビスパ福岡U-18にまさかの敗戦を喫し、首位から3位へ転落。V・V長崎U-18がプレミアリーグ参入戦出場圏のリーグ2位以内に入るには、今節の大分トリニータU-18戦に勝利し、城西と日章の直接対決が引き分けるしか道はなかった。

当然、大分戦での勝ち点3奪取のため、V・V長崎は立ち上がりから攻撃的に仕掛けていった。開始直後には、左サイドからのパスを受けた七牟禮蒼杜が大分ゴールを脅かす。良いスタートだ。

だが大分はゴール前では長崎の得点源ある七牟禮をCB吉良光生がマークし、両サイドの今村彪悟と後藤雅人の突破から反撃。V・V長崎U-18は「中盤が少し間延びしていた(V・V長崎U-18 原田武男監督)」こともあり、前半は一進一退の攻防で0対0。

しかし、後半に入って中盤のラインを前目に修正したV・V長崎は攻勢を強化。池田誉がゴール前でボールに関わるシーンを増やして行く。大分もGK森本慎一の好セーブや中央をガッチリと固める守備で耐えて行くが、左サイドから池田の送ったクロスを田口達也が決めて75分にV・V長崎U-18が先制。

その後、大分も少しずつ反撃していくが、GK黒瀬理仁の守るゴールが割られることはなく試合は1対0で終了。逆転でのプレミアリーグ参入戦進出第1条件をクリアした。

しかし、城西と日章の一戦は0対0の引き分けで終了。リーグ序盤戦から首位をキープしながら、前節の敗戦で3位に陥落したV・V長崎U-18の3位が確定した。

試合に関して言うなら批判すべき点は少ない。この日のV・V長崎U-18は久しぶりにアグレッシブだった。焦りのためミスが出た点や位置取りが低くなることもあったのは課題だが、それも修正できていた。特に後半はいつゴールを決めるかという問題のみで、主導権を握ってゲームを進め続けた。

それだけに勝ってプレミアリーグ参入戦進出を決めたかったし、試合に勝ちながら喜べなかった、リーグ残り3試合となったところで、そんな状況に陥ったのが残念だ。今季のチームは過去のチームと比べても戦力が高く、特に攻撃面は大いに期待されていた。

プリンスリーグ序盤から前節までは大半の試合で首位をキープし続けた。夏場にエースでキャプテンの七牟禮蒼杜が故障し長期欠場。その後も主力の故障が相次ぐ中でしぶとく勝利を重ねていた。だが、終盤戦に次々と選手が体調不良に陥り、前々節を引き分け、前節に敗退。チーム力以外の部分で崩れてしまった。

「2年前に優勝、去年は2位で賞状をもらった。今年は3位。なぜこうなったのか考えてほしい。何かが足りない部分があった。今後、同じことを繰り返さないためにもこの経験を忘れないでほしい」

試合後、原田武男監督はそう語り、キャプテンの七牟禮も「今日は全員が力を出したと思うけど、これで負けたら最後だからではなく、これをスタンダードにしてほしい」と1・2年生へ自戒を込めたメッセージを送った。

reported by 藤原裕久

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