アカデミーレポート:2年ぶり9度目の選手権に向かう長崎総合科学大学附属高校~伝統を受け継ぎながら、新生総附として向かう~
11月30日、高校サッカー界最大の祭典、全国高校サッカー選手権に長崎県代表として出場する長崎総合科学大学附属高校が選手権に向けたトレーニングを公開した。
この日のトレーニング場所は長崎市の長崎県体育協会人工芝グラウンド。曇り空でやや寒さもある中、12月28日から開幕する選手権へ出場するメンバーたちが汗を流した。
この日のトレーニングメニューは、メディアの合同取材日ということもあり、軽めの内容でムード的にもリラックスしているが、3対2+1や6対6+GKでのシュートゲームで見せる雰囲気は良好。
「選手権予選のときより、選手1人1人が(選手権に出場する)メンバーなんだと自覚を持って声を出したり、練習でも質にこだわったりできている」
キャプテンの平山零音が語るとおり、着実にチーム状態を上げていることが感じられた。
長崎総科大附の初戦は12月29日、新潟県代表の帝京長岡高校。プリンスリーグ北信越の優勝をすでに決めており、2年ぶり10度目の出場で過去にはベスト4に進出した経験も持つ強豪だ。
今年のチームを立ち上げたときから、国立でプレーすることを目指していたという定方敏和監督。
「ウチは突出した選手が今年はいないと思っているので、チーム・組織としていかに守れるか。攻撃では自分たちの武器を最大限生かしていかなければならないかなと。攻撃面で高さをいかに活用するかが大事だと思いますし、守備では京谷來夢が冷静にプレーができるので、うまくディフェンスラインを統率してくれると思います。あとはプレー外の部分ではキャプレンの平山が声をかけていくことでグッと一体感は増すと思います」
と穏やかな裏に闘志をにじませながらコメント。
ゴールが期待されるFW福島文輝は「選手権は中学生の頃からずっと憧れてきた場所なんで、本大会に出場できるのはすごく嬉しい。出るだけじゃなく、目標である全国ベスト4以上まで絶対に行きたい」と決意を語った。
2年ぶり9度目の出場となる長崎総科大附だが、小嶺忠敏監督が亡くなられてからは今大会が初の選手権出場。
「今までのコミュニティで築き上げてきた良い部分をそのまま生かしてきたつもりですし、それにプラスアルファしているところもあると思います。(小嶺)先生の存在は大きいですけど、私の考え方なども交えながら、新しい長崎総科大附を全国に見ていただきたいと思います(定方敏和監督)」
1月の県新人戦準優勝、6月の高総体県予選はベスト8にすら入れなかった。そこから試行錯誤と苦闘を重ねた末、長崎総科大附は選手権出場の切符をつかみ取った。選手権開幕まであと1月足らず。次に狙うは国立行きの切符。新生長崎総科大附は着々と準備を整えている。
reported by 藤原裕久