【アカデミーレポート】国見?!長崎総科大附!?長崎日大?!今年も激戦必至!令和5年度 全国高校サッカー選手権長崎県大会展望
先日、『令和5年度(第102回)全国高等学校サッカー選手権大会 長崎県大会)』(選手権県予選)の組み合わせが発表された。昨年、国見高校が12年ぶりの選手権出場を決めた大会、今年は10月21日の1回戦を皮切りにスタートし、11月12日のトランス・コスモススタジアム長崎で決勝戦が開催される。ViSta(ヴィスタ)では大会の展望と同時に現状の県内サッカー勢力図について書いてみたい。
今年の選手権県予選で優勝候補に挙げられるのは、前大会覇者でインターハイ全国ベスト4の国見、プリンスリーグ九州1部でジワリと順位を上げてきた長崎総科大附、新人戦優勝、県高総体準優勝の長崎日大といったところ。これに海星、創成館、あとは鎮西、南山といったあたりが続く形だろう。

インターハイでベスト4進出し、木藤国見で2度目の全国を経験した国見
国見はボールをつなぐスタイルが健在で個の層も厚い。主将で大黒柱の平田大耀、アタッカー中山葵、不動のCB中浦優太に加え、門崎健一、西山蒔人ら2年生が台頭中。1月の県新人戦ではまさかの初戦敗退を喫したが、4月に板東匠がボランチに入ってからは安定している。現在の課題を挙げるとするならば引いた相手をどう崩すかという点になるだろう。

着実に調子を上げてきた長崎総科大附
今季、無冠の長崎総科大附だが着実にチーム力を高めてきた。今年は故障者が多くチーム作りに苦戦していたが、その間もメンバーを固定しつつ我慢の戦いを続けた結果、夏場から復調。現在プリンスリーグ九州1部で4連勝とし、順位を4位まで挙げてきた。平山零音、京谷來夢ら実力的には申し分のないタレントが多く、高さとうまさのある福島文輝が復調し、坂本錠ら2年生がかみ合えば王座奪還はあり得る。

長崎日大は高総体県予選決勝で国見に惜敗
坂本信行新監督の下、質の高いサッカーと個をかみ合わせている長崎日大。DFに白濱利羽・松尾咲、ボランチ酒井遠永、前線の起点である中川粋ら縦のラインが並び、2年生でチーム屈指のスキルを誇る大町璃史と戦力は十分。ボールの動かし方やチームの安定感は県内屈指。順当なら国見と準決勝で対戦となるが、どちらにとってもここが選手権予選の正念場となりそうだ。

創成館(黄色)と海星(赤)も実力は十分
V候補の3校には劣るが海星は今年も関係者の評価は高い。4-4-2のオーソドックスな形からスキルの高い藤本龍星を中心にゲームを組み立てつつ、川上大翔らが攻撃に絡んでいく。最終ラインは阪凌駕がカバーし総合力は高い。創成館は県リーグでも苦戦を続けているが、CB池田隼人、サイドアタッカー熊崎陽仁、攻撃にアクセントを作る関優翔・副島干歩ら選手がそろう。起点となれる篠原太希が復帰すればチーム力はさらに高まるだろう。選手権に向けた調整を得意とするだけにここからの取り組み次第のチームと言えるだろう。

すっかり県北の強豪となった佐世保実業
これまで取り上げたチームに比べて鎮西と南山はやや戦力的に落ちるが、2チームともに地力は高く、鎮西は県1部リーグで6位、南山は県2部ながら無敗で首位に立つ。どちらも戦い方がハマれば優勝候補を倒すだけのポテンシャルはある。また、九州文化学園は昨年より苦戦しているが目指すサッカーの質が非常に高く、選手たちのピークと選手権県予選用に合わせた戦い方がうまくリンクすれば快進撃の可能性も。佐世保実業も例年の守備優先の戦い方から、手堅い守備を維持しながら攻撃の質を高めてきている。こちらも注目してみてほしい。
reported by 藤原裕久