長崎サッカーマガジン「ViSta」

2月4日、髙田春奈V・ファーレン長崎社長退任・次期Jリーグ業務執行理事選任会見 ~一問一答~

<髙田春奈社長 冒頭あいさつ>
今回の退任理由につきましては、Jリーグの常勤理事を担わせていただけるというのが一番の理由となります。2017年にV・ファーレン長崎をジャパネットグループの子会社化してから関わって5年くらいになりますが、最初にそのことを少しだけ振り返らせてください。

2017年3月にV・ファーレンの経営が危ないということで、ジャパネットでもどうにかしなければという議論が始まりました。そのときはまだV・ファーレンを子会社化するというのは信じられませんでした。ですがクラブ存続への危機感が大きくなり、不安もある中で助けたいという思いが強く、県民のクラブとして抵抗がある方もいたと思いますが、経営の立て直しからということで、最も意思決定の効率が良い100%子会社化に踏み切り、第一線を退いていた(髙田)明に社長になってもらいました。私はジャパネットの人事面や広報面を担当していたんですが、その年に奇跡のJ1昇格を達成したことで、みんなが幸せを感じることができたと思います。

しかしJ1になり、運営も追いつかなくなった中で、私も長崎に来る形で取締役に入り、(2018年の)4月からはホテル暮らしをして諫早に通いました。社員の頑張りもあって何とか運営を回せる状態にはなったんですが、マイナスをゼロにする作業だったと思います。その年にJ1から降格して、その後に明前社長も3年で社長交代となり、私がバトンを受けることになりました。社長を引き受けるにあたり覚悟が必要だったんですが、サッカーが人生を豊かにし、長崎に活気をもたらすと感じていましたので、2020年から就任を引き受けさせていただきました。社長になってから長崎県内のいろんなところに足を運んで、それまで知らなかった魅力を知るようになり、それからは長崎の力を発信していければと思ってやってきました。

昨年の秋頃にJリーグから(業務執行理事選任の)話が出てきたんですが、当時は長崎のことしか考えていませんでした。しかし私がV・ファーレンに関わってから感じた『サッカーがあることで地域が盛り上がる感覚』はJリーグがもたらしてくれたんだなと。そして私と同じようなことを、いろんな土地で同じように感じる方がいる。そして、サッカーを通じて長崎でやっていることを広げることがができるんだと。それは長崎のためにもなるし、私がやりたいことなのかもと思いました。(理事の)選考に通るかわからなかったんですが、選考が駄目でも通っても運命だと思ってやってみようと。

(理事就任内定にあたって)自分がクラブを離れたらどうなるかを考えて、(髙田)旭人社長とも相談をしながら考えた結果、新体制がスタートすることになりました。私は仕事をする上で、つまずいたときにただ立ち上がるのではなく、より良く立ち上がることを考えています。私が社長を離れることで無くなるものもあるかもしれませんが、新しい方法や視点を持つチャンスでもあります。新生長崎になることで良い変化もあると思います。

社長として何ができたと語れる自信はないんですが、一生懸命やってきたことだけは言えると思います。現在、チームはJ1昇格へ向け頑張っていて、とても良い雰囲気で開幕を楽しみに感じています。今シーズンこそはやってくれると思っています。引き続き、V・ファーレン長崎へのご声援、よろしくお願いします。

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