長崎サッカーマガジン「ViSta」

【ショートインタビュー】安部大晴:バンディエイラ候補の2021シーズン。~トップチーム・U-18・代表、そしてV・ファーレン長崎のお父さん「玉田圭司」のこと~

―今シーズンはV・ファーレン長崎U18とトップチームへの合流以外に、年代別代表でのプレーも増えました。自身ではどんなふうに振り返りますか。

すごく忙しかったという印象がありますね(笑)。その中でのプレー、特に自分で意識している強度のところでは、極端に大きな波が出なかったんじゃないかと思っています。すごく良いときと悪いときが極端な選手もいると思うんですけど、自分で言うのはなんですが、そこは1年通して一定のレベルを保てたんじゃないかと。すごく忙しい中でもそこまで落ちなかった。それができたシーズンだったかなと思います。

―3つのチーム(U-18・トップ・代表)を掛け持ちすることでコンディション的に苦しい時期もあったんじゃないですか。

代表のキャンプとかが続いたときにはそんな感じもありました。5・6試合連続で長い時間出場していて、かなり疲れもあってきついときもありましたし、移動も長いので疲労を感じることもありました。でもそこは言い訳にしかならないんですよね。そういう厳しい状況でもやらなければと思うようになりました。試合後にすぐにアイスバスに入って自分の体をしっかりとリカバリーしたり、自分でも意識してコンディションを整えていかなければと思っています。

―そういった疲労を感じることはあっても、やはり代表でのプレーには刺激を受けましたか。

そうですね(笑)。やっぱりレベルが高いところで常にやり続ける方が自分としては良いです。そこは刺激を受けますし、成長するためにも大事なのかなと思います。来年はU-18の最高学年になるんですけど、プレミアリーグでプレーして、トップチームと代表でもプレーできれば最高ですね(笑)。でも、そのためにはプレミアリーグプレーオフを勝ち抜かなければなので、今はそこを意識しています。

―U-18では中心選手として、苦しい試合で活躍することや得点を求められるわけですが、そこについてはどんなことを意識していますか。

チームとして苦しいときに先制点が大事だと言うのは常日頃から意識しています。自分が(ゴールを)取ることでチームの流れもこっちに来ると思っているので、自分が少し高い位置にポジションを取ったときは、ゴール前に飛び出していくことを意識しています。

―玉田圭司選手が現役を引退しますが、そこについてはどんな思いがありますか。

玉さんとは2年間、かかわってきて刺激をもらってきたので、悲しいというのはありますね。残りの期間にゆっくりと話す機会があるかはわからないですけど、いろいろ話ができればと思います。玉さんには「自分をお父さんと言え!」みたいなことを言われたことがあって(笑)、自分にとってはV・ファーレンのお父さんみたいな人で「パパ」って呼んだり、本当によくしてもらっています(笑)。私生活でもサッカーでもお手本にしているので、そういう選手が去るのはやはり寂しいですね。

―Jリーグデビュー戦(5月29日J2第16節 長崎対山口)では、J初ゴールのチャンスでしたが、得点したのはそのお父さんでした(笑)(*注1)。

そうですね(笑)。あのときは本当に自分がもう少し早くスタートを切れていればパスがもらえたんですけど(笑)。でも、玉さんはこちらの動きを何度も見てくれていたんですよ。そういう余裕を持っていて、やっぱり違うなと思いましたね。あれを決めるのがさすがでした(笑)。あれが玉田さんです(笑)

*注1
第16節の山口戦で玉田と安部は同時に出場。87分にゴール前に抜け出した玉田がゴールを決めるが、安部もゴールに迫っていて、パスが出ていればあわやJ初得点というシーンがあった。

reported by 藤原裕久

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