長崎サッカーマガジン「ViSta」

【アカデミーレポート】アカデミー(育成組織)の基本(その1) ~チームの種類と所属~

 

鎮西高校と国見高校

最近、V・ファーレン長崎アカデミーの試合が賑やかだ。少し前までは関係者や選手の家族しかいなかった公式戦に、チラホラとサポーターが顔を出すようになり始めている。そこで今回はあらためて、アカデミー組織について書いてみたい。

ここでいうアカデミーというのは、Jクラブの下部組織、つまりV・ファーレン長崎U-15やU-18のことを指す。ちなみに「下部組織」という呼称は、2009年にJリーグによって「アカデミー」「育成組織」と改称されたために公の場では使われなくなっている。

サッカー界においてはチームは大きく以下の4種類に大別されている。

1種(トップ・サテライトチーム)【V・ファーレン長崎トップチームや社会人チーム】
2種(ユースチーム)【V・ファーレン長崎U-18や高校のサッカー部】
3種(ジュニアユースチーム)【V・ファーレン長崎U-15や中学のサッカー部】
4種(ジュニアチームやスクールなど)【V・ファーレン長崎サッカースクールなど】

Jクラブはこの4種類全てを保有してなければならない。2種以下がアカデミーにあたる。

さらにアカデミー組織においては、もう一つ大きな分類がある。
それは「体育連盟所属」か「クラブユース連盟所属」かという点だ。
簡単にいえば「体育連盟所属」は高校や中学のサッカー部のことで、クラブユース所属はそれ以外のチームだと思ってもらえれば間違いない。

つまり、国見高校だとか諫早商業、長崎総合科学大学附属高校のサッカー部が「体育連盟所属」にあたる。高校は高体連で、海星中学とか島原第一中学のサッカー部は中体連に所属する。

一方クラブユース連盟に所属しているのは、高校の部活以外のサッカーチームである。V・ファーレンU-15やU-18はこちらに該当する。いわゆる「街クラブ」と呼ばれるのがこちらだ。長崎県の場合は、U-18のクラブチームがV・ファーレン以外にはないが、U-15年代の街クラブとしてならブリストル、キックス、レインボーなどが活躍中だ。

所属組織が違うので、原則として体育連盟の大会に街クラブは出場できないし、クラブユース連盟の大会に体育連盟所属チームは参加できない。つまり、高校総体や高校選手権にV・ファーレンU-18が出場することはないし、逆に高校のサッカー部が全日本クラブユースに出場することもない。親善大会などを除けば、これらの所属に関係なく両方とも参加できる公式の大会は唯一「高円宮杯」という大会だけである。*「高円宮杯」については後日、別に記載したい。

そして、選手は同時に1チームしか登録できないので、V・ファーレンU-18でプレーしながら、どこかの高校サッカー部に入部はできない。(練習参加とかはできても入部は不可)。例えば、V・ファーレン長崎U-18の子供たちの多くが鎮西学園に通っているが、彼らが鎮西学院サッカー部でプレーすることはない。あくまで学生として通い、サッカーは授業終了後にV・ファーレン長崎U-18として行っている。

以上、簡単だが、アカデミーの種類と所属について理解いただけただろうか?
反響によってではあるが、需要があるようであれば、次回は種類、所属ごとの大会の説明をしてみたい。

reported by 藤原裕久

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