kumamoto Football Journal

【TOPICS】今季の新アイテムとして登場し、売れ行き好調の「御朱印帳」。企画から商品化を実現した、グッズ担当スタッフの思い。

ロアッソ 御朱印帳

 新型コロナウイルスによる感染症拡大防止のため、Jリーグの公式戦は3月15日まで一時中止となっている。熊本県内でも感染者が確認されており、練習及び練習試合の見学も中止されているが、再開(J3の場合は開幕)に備えてチームはトレーニングを継続中で、クラブスタッフも新シーズンに向けさまざまな準備を進めている段階。そうした中、今季の新アイテムとして、御朱印帳とボールペン「JETSTREAM」が先行して発売されている。

 御朱印帳に関しては以前からの静かなブームが「令和」の改元を境に加速した印象もあり、そうした流れを捉えたグッズとして今月1日の発売初日から売れ行きは好調の様子。しかし、単に「流行に乗っかって」企画されたものではなく、その裏にはグッズ担当の秘めた思いがありました。(取材日/2020年3月4日)

 

ロアッソ 御朱印帳

今季から登場の御朱印帳(左)とボールペン「JETATREAM」

  「昨シーズンの9月7日、G大阪U-23との試合(明治安田生命J3リーグ第22節)で16000人のお客さんが入りましたよね? あの試合が、御朱印帳を思いついたきっかけなんです」

そう話すのは、(株)アスリートクラブ熊本でグッズ担当を務めているマーケティング部の田上祥子さん。なぜ、あの試合が御朱印帳の商品化を思いつくことにつながったのか。

「過去に来場者2万人を超えた試合もあったことは知っていました。でも、あの試合は私が入社してから一番多くのお客さんが入った試合だったんです。同じ場所、同じ時間にあれだけの人が集まることってないな、熊本、すごいなと実感して、改めて、地元にJリーグクラブがある意義を強く感じたんです」

ホームゲームでは、グッズ売店での接客を通して「こんな商品が欲しい」といったサポーターの声に最前線で触れ、他のクラブが発表するアイテムに対するSNSなどでの反応を探りながら、毎シーズン新たに発売するグッズの企画に関わってきた。そうした経験と、この試合で改めて感じたクラブの存在意義が重なり、「地元の方達がJリーグを通してもっと楽しめることはないか」考えたとのこと。特に、「選手たちは北陸や東北などの遠方まで行って戦っているので、もっとたくさんの方にアウェイにも応援に行っていただきたい」と、「アウェイゲームを楽しめるツール」について思いを巡らせた結果、2020シーズンの新商品のひとつとして、川崎や湘南など他クラブでの例はあるものの、まだ決して多くない、御朱印帳に行き着いた。

「正直、ロアッソのアウェイ戦がなければ行くことがなかった県もあると思うんです。そうやっていろんな土地を訪れた時、神社巡りをする方もいるので、日付も書いてもらう御朱印帳なら、思い出を彩るアイテムになるのではないかなと考えました」

 

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