中野吉之伴フッスバルラボ

【きちルポ】何兎を追うのが最適解?マルチタスクのあり方について考察した①

▼ マルチタスクとは何ぞや?

《二兎追うものは一兎もえず》

「うさぎを二兎同時に追いかけても、結局両方とも捕らえることはできない。二つのことを同時に成し遂げようとしても、結局どちらも失敗に終わる」という日本に古来から伝わる言葉、と思ったら、もともと英語の”If you run after two hares you will catch neither”ということわざを日本語に訳したものだそうで。

「同時に2つのことに中途半端に手を出すとどちらの成功も得られない。だからとにかくまずは1つの事柄にそれを成し遂げるまで集中してやりきることが大事」という意で用いられることが多いだろう。人生における一つの側面を見事に表している。

でも、これは《中途半端にあれもこれもに手を出すと》という前提があっての言葉でもある。そして《一つの事柄に集中し続けることの困難さ》という別の側面も考慮する必要だってあるし、前回のコラムで取り上げたように取り組んでいることを頭に定着させるためには、身体と心と頭のキャパシティの範疇で行い、充分適切な休養/睡眠をとることが欠かせないわけだ。

そもそも学生時代に僕らは毎日何科目もの授業を余儀なくされてきたではないか。それこそ一つのことに集中なんてできないほどの宿題を浴びせられてきたし、テストだって集中開催されているのを当たり前に受け止めてきたはず。

全然一兎じゃない。

時間はそれぞれに平等にある。1日24時間、1週間7日をどのようなバランスで生活するかが重要であり、その中にはリラックスする時間が大事だし、何をしたらリラックスするかだって人それぞれ。ある人は読書や映画鑑賞だろうし、ある人はスポーツだろうし、ある人は手作業を黙々とする時間がなくてはならなかったりする。

身体と心と頭でオンとオフがあって、それぞれの取り組みがそれぞれのキャパシティと全体のキャパシティに無理がなくてということができていたら、マルチタスクこそが僕らの生活の基盤にあった方がよかったりする。

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