中野吉之伴フッスバルラボ

【きち日記】トレーニングのためのトレーニングと実践につながるトレーニングは何が違う?

▼ いつ、どこで、何を、どのように指摘する?

8/3、4と碧南へ。

FC碧南、碧南市サッカー協会、碧南市教育委員会とそれぞれで講習会を開催してもらえた。そんななか碧南FCコーチングスタッフとは、今度C級ライセンスの試験があるコーチがテーマに沿ったトレーニングを考えて、実践するという試みに挑戦。

トレーニング実践を見させてもらい、一緒にプレーをさせてもらい、気になるところを僕が修正をするというもの。

《ゴールを奪う》をテーマに攻勢されたトレーニングで、コーチが指摘したのが選手の《プルアウェイ》の動き。

つまりパスが出てくる前にマーカーからバックステップで離れてからスペースに走りこんでボールを呼び込もうという動きへのアプローチだ。

ボールを視線に収めながら守らなければならない相手選手の視界からふっと逃げて、明確な意図を持ったフリーランニングでゴール前に飛び出せたら、チャンスのクオリティは間違いなく上がる。

トレーニングでは味方のパス交換に合わせて、FWが動き出してパスをもらうという設定。ただ、動きにどうもダイナミックさがない。パスを受けた選手がボールを足もとに止めて、動きのない状態からスペースに飛び出していく味方選手へパスを送っている。

でもこれは試合で生きるスキルになるだろうか。

この《試合だとどんな状況から、どんなプレーが再現性として考えられるだろうか?》という視点はとても重要になる。しばらく見て、一緒にやってから、僕の意見を口にさせてもらった。

「ゴールチャンスを生み出すために、FWが機を見てスペースに飛び込んでスルーパスを呼び込み、シュートへと結びつける。ではそのためのトリガーとなるプレーはなんでしょう?

当該コーチだけではなく、みんなで考える。中学生が何人か参加していたが、彼らも首をひねりながら考えている。さらに掘り下げて尋ねてみる。

「ボールを持った選手がボールに気持ちがいっていて、FWの動き出しに気をくばるようすではないところからパスは出てくるでしょうか?試合中にパターン練習の流れ通りだからといって、考えも見もせずに、パスを送ってそれがチャンスにつながるでしょうか?」

(残り 880文字/全文: 1772文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ