【現地取材】浦和レッズに新加入した二田理央とは何者か?現地インタビューからその選手像を紐解く②
▼ モラス雅輝が太鼓判を押す二田の真摯な取り組み
Jリーグのサガン鳥栖からオーストリアに渡り、3部インスブルックで得点王を獲得。その活躍を認められて2部ザンクトペルテンへと移籍。負傷やチーム事情もあって、思うようにプレーできない時期もあったが、二田は常に自分を見つめ、やれること、やるべきこと、やらなければならないことに最大限のパワーで向き合い続けてきた。
元浦和レッズコーチであり、現在はザンクトペルテンでスポーツダイレクター、育成ダイレクター、U18監督と何足もの草鞋を履くモラス雅輝が二田の日々の取り組みについて、とても称賛していたことがある。それはピッチ内だけではなく、ピッチ外での取り組みにも一生懸命だったからだ。
モラス雅輝「理央が偉いのは、日常会話とかロッカールームでの会話とか、全部ドイツ語でわかるようになってきて、監督の指示は大体わかるようになっているんです。だから監督からすごく信頼されている。
すごく面白い選手です。メンタリティが素晴らしい。普通の日本の18歳より多分、もっとしっかりしてると思うんです。自炊も全部勉強して、自分でごはん作れるようになって、言葉の勉強もそうだし、筋トレとかも含めて自己管理も全部できる。
僕は彼がこっちにやっぱり来たときころから見ています。親もとを離れて、日本とは全然違う環境に来て、大人になるスピードが増したのかもしれない。彼と話をすると、すごいいい青年って感じがして、その成長ぶりが僕はすごく嬉しいですよ」
言葉からも逃げず、一人暮らしからも逃げず、海外におけるコミュニケーションからも逃げず。
その積み重ねが二田理央という選手をさらにしなやかで、強靭なものにしているのは間違いない。オーストリアで培った経験は、浦和レッズという新しい舞台での挑戦においても大きな力となるはずだ。
まだ21歳。きっとその成長曲線はここからさらに上がっていく。
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――――ザンクトペルテンでは日本人が多いことで逆にデメリットを感じたりとかっていうのはありますか?
「いや、デメリットを感じたことはないんですね。自分からしたらもう本当メリットしかない。そもそも日本人がいたとしても、なるべくドイツ語で話しかけて、ドイツ語でなるべく選手たちと関わろうって意識しています。
モラスさんからは、『日本人だけで固まってると、周りからいいふうにはあんまり思われないよ』って、『日本語で話してるのは周りの選手からしたら何を話してるかわかんないらないからね』ってことをずっと言われてたんで。
わからないなりにも一生懸命話して、そのことで何か思われたりとかはないと思っています。そうしたことを意識しながら毎日やってますね。
でもオフにはやっぱりちょっと息抜きも欲しいので、よしくん(原辺允輝。ザンクトペルテン女子チームのトレーナー)と旅行にでかけたり、治療してもらったり。そうやって日本語で話したりとかできるメリットはありがたいですね。うまくメリハリ付けれているので、普段はほかの選手とコミュニケーションを毎日とってという感じです」
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