中野吉之伴フッスバルラボ

【きち日記】岡崎慎司と長谷部誠のラストマッチ+ブンデスリーガとスイスリーグの最終節を取材行脚

▼ リーグ最終節で各地へ

リーグ最終節は特別な空気がある。シーズン最後まで順位や個人タイトルをかけた戦いがあり、そしてクラブと別れていく選手がいる。

元日本代表の岡崎慎司と長谷部誠が今季限りで現役を引退することになった。二人の試合が連日で開催というのもなんだか感慨深い。

時代の寵児が駆け抜けた足跡には様々な教えが刻まれている。選手として、人として、成長するためには何が大切なのか、そのためにどのように礎を築けばいいのか。二人のこれまでを振り返れば振り返るほど、「やっぱりそうだよなぁ」と思わせるものであふれている。

そんな二人について僕も山ほど思うことがある。それだけに様々な媒体でコラムをたくさん書かせてもらえたのは本当にありがたいことだった。

改めてここでまとめてアップしておこうと思う。どのコラムにも学びがある。僕も何度も読み直したい。

 

▼ 入れ替え戦の怖さ

リーグ終盤は何かが起こる。毎年のように、各国リーグ戦では思いもよらない結末が待ち構えている。スポーツは筋書きのないドラマとよく言われるし、サッカーは試合終了のホイッスルが吹かれるまで、あらゆることが起こるとみんなが口にする。

だからみんな不運の風に吹かれないように気を付けているし、油断なんて誰だってしようとはしていないけど、でも「いくらなんでもそれはないだろう?」ということが起きては僕らを驚かせる。

今季のブンデスリーガでいえば、ボーフムとデュッセルドルフとの入れ替え戦がそうだった。

【現地取材】入れ替え戦1stレグ3-0から大逆転負けを喫したデュッセルドルフ。この悲劇が成長への大きな礎とならんことを

現地取材に駆け付けていた僕は、ボーフムの逆転がないわけではないと同業者と一緒に話をしていた。

「前半1-0で終わればボーフムはまだまだチャンスがある。後半3-2にしたらスタジアムの空気は一気に変わる。そうなるとデュッセルドルフは持ちこたえられないかもしれない。今季のデュッセルドルフは崩れたときに持ちこたえることができない試合が少なくはない」

そんな可能性を指摘してはいたけど、だからといってそのためにはボーフムのパフォーマンスがバイエルンを下したときのように最高レベルになっていなければならないし、デュッセルドルフのパフォーマンスがそれに飲み込まれ程不安定でなければならない。ホーム50000人強の応援を受けての試合となれば、さすがにそんなことはないのではないかと思うのが普通だ。

でも、起こった。

サッカーは時に驚くほど残酷で、時に驚くほど爽快だ。だから僕らはこれほどまでに魅了されてしまうのだろう。どれだけのことが起こっても、いつでも次に向かって続いていく。

さて、次ページでは5月の取材を写真とともに振り返る。現場の雰囲気を感じていただきたい。

今月残りと来月は現在ドイツで開催中のヨーロッパ選手権を取り上げていきたいと思う。各地での熱戦の模様はここフッスバルラボでも取り上げていきたい。

無事にトーナメントパスの申請がおり、グループリーグでは明日のオーストリア対ポーランド(ベルリン)、明後日のベルギー対ルーマニア(ケルン)、6月25日にはオーストリア対オランダ(ベルリン)、そして26日(ウクライナ対ベルギー)の4戦に足を運ぶ。スタジアムだけではなく、パブリックビューイングや町の様子も併せてお届けしようと思う。

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