中野吉之伴フッスバルラボ

【対談】3部ビーレフェルトで奮闘する水多海斗と日本の育成について語ってみた

▼ 水多と語る日本の育成

水多海斗はブンデスリーガ3部ビーレフェルトでプレーする24歳MFだ。

「3部リーグなんてたいしたことない」という声も時折耳にするけど、そりゃブンデスリーガと比べたらまだまだ規模もレベルも大きく違う。だからといってドイツ3部リーグが大したことないということはない。

先日フットボールZONEで水多とのインタビュー記事×5本を寄稿したが、どれも示唆に富んだ内容だと思う。

2部や3部にも注目選手はたくさんいる。ここ最近よく考えることがあるのだが、選手がはまる瞬間というので、《いついつまでに大成しなきゃダメ》なんていうのは全くないなということ。

17-18歳で未完の大器と言われて、将来を担う存在と持ち上げられて、でもそれが必ず18-19歳ですぐ活躍できるかといったら、そんな保証があるわけじゃない。そしてそうじゃなきゃいけないわけでもない。25-26歳までじっくりと時間をかけて成長する選手もたくさんいるのだ。

現在ドルトムントでレギュラーとしてプレーするニクラス・フュルクルクもそうだ。先日のパリSG戦ではそれこそマンチェスターシティのエースFWアーリング・ハーランドをもほうふつとさせるゴールを決めていたけど、1シーズン前だったらあんなプレーはできなかったはず。

ドルトムントへ移籍して、ドイツ代表としてプレーを重ねて、ポジショニングをより意識して、味方を使いながらも自分が生きる場面を探して、そのビジョンに体がついてきてという流れで、どんどんレベルアップしている。

いま30歳だが、選手はそうしたゾーンに入ったらいくらでも成長ができる。

自信とじっくり向き合ううえでも3部や2部で戦う時間はとても重要だ。そして3部も2部もレベルは十分に高い。水多もそこを指摘していた。

水多「2部も本当にレベル高いんで、やっぱり時間は絶対必要だと思います。町野修斗選手もキールにいきましたけど。そんな1年目から大活躍は難しいんです。特にキールなんて前線にいい選手が多い。そんな簡単じゃないです。田中碧選手でもやっと浮上してきたという感じですよね」

移籍初年度で5ゴール5アシストをマークしている水田。そんな彼のこれまでの歩みについてはインタビュー記事でまとめてあるのでそちらを参考にしていただきたい。

1:久保建英と共闘も挫折… 欧州で戦う24歳日本人MFの転機「もしあの時Jユースに上がってたら」
2:なぜ強豪校卒業→ドイツ挑戦を決断? 名門ドルトムントも打診…5部から“成り上がり”舞台裏
3:24歳日本人MFが衝撃「本当に熱い」 3部で2万9000人入場の熱狂…プロ初年度で成長実感
4:欧州日本人選手の系譜に「泥を塗れない」…24歳MFの決意 現地ファンも支持「ここで不滅の存在になって」
5:ドイツ5部から飛躍「プロ何年目でも関係ない」 24歳日本人MF…苦難克服の秘訣「やれることは全部やる」

フッスバルラボでは水多と日本の育成について語ったのでそちらを紹介する。J下部と高体連の違いや、もがいていた高校時代の心境などについて、熱く語ってもらっているので、ぜひ読んでいただきたい!

▼ Jクラブと高体連はなぜそんなに違いが出る?

――――個人的な感想で十分いいんだけど、Jクラブっていわゆる忍耐力というか、我慢強さが備わりにくいといわれるのはなんでだと思う?高体連とJ下部と分けて考えられがちだけど、でもブンデス下部出身だと我慢強さがないとかはあまり聞かないじゃない?

水多「サッカーの練習することで学べることってたくさんあると思うんですけど、それ以外の気持ちとかそういう部分って、トレーニングからだけでは学べないものも多いと思うんです。高校サッカーではつねに《学校-勉強-サッカー》が一緒になって、勉強良くなったら試合に出られないし、学校の態度よくなかったら試合に出られない。

自分が一番そういうのを経験してきたんでわかるんですけど。例えばJクラブって学校は別というイメージがあるし、サッカーでの2-3時間だけの関係になりがちじゃないですか。もちろんやっぱりレベルは高いんですよ。だから技術とかのレベルは絶対に上がるんですけど、そういう勉強に対してとか、学校での態度だったり、そういうところへのアプローチは比較すると少ないんじゃないかなと思うんです」

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