中野吉之伴フッスバルラボ

【ゆきラボ】コロナ禍を過ごした思い出の住まいとお別れ/ドイツの選挙イヤー2024

こんにちは!なかなか更新できずにいたドイツの日常コラム「ゆきラボ」です。新居にまだネットが開通していないため、ここ何日かはノートPCを持って外出し、以前このコーナーでご紹介したガレリアのカフェテリアで仕事をするのがルーティンになっています。

4月の後半はほとんど旧居と新居と自宅前のスーパーの行き来だけ。半径50mくらいの行動範囲の中で、ひたすら旧居から新居へ物を動かし、掃除をし、不用品を捨てるだけの生活でした。実はこの引っ越しに追われていた期間、フライブルクは4月としては異例の寒波がやってきていたので、冷たい風雨が吹く間は室内で箱詰めをし、晴れ間を見て段ボールを台車に積んで外に出ることの繰り返し。

山間部ではまとまった雪が降り、そこに住む友人からは、スキー場ではしゃいだり、つららで遊んだりする子どもの写真が送られてきました。いや、4月なんですけど。

段ボールの谷間で朝食を食べていた頃。今はもうちょっと片付いています

フライブルクの平野部も、ときにはあられが降るほど寒かったので、引っ越しの段ボールに詰めてしまった冬物を引っ張り出すべきか、春秋物を重ね着してしのぐか、ぐずぐず迷っているうちにまた暖かさが戻ってきました。
無事に引っ越しが終わり、5月の街に出てみると、青葉がまぶしく、そして緑の木々の間には選挙のポスターがずらりと並んでいます。

2024年は、ここドイツでも選挙イヤー。3つの州議会選挙に加え、各都市の市議会/区議会選挙も続きます。フライブルクでも来月に欧州議会選挙、そして市/区議会選挙が控えています。日本のように選挙ポスター専用の掲示板が設置されるのではなく、各政党・候補者がとにかく目につくところに選挙ポスターを掲げまくるのがドイツ式です。しばらく街の景色をゆっくり眺める余裕もないまま過ごしていましたが、引っ越しを終えて日常が戻ってくると、垂直に立っているものにならどこにでもポスターを貼れ!と言わんばかりに、街の中がポスターだらけになっていました。

というわけで、コラムの後半はドイツの選挙の話を書こうと思っていますが、その前に引っ越しの振り返りを。

前回のコラムでも書いたように、数年おきに引っ越しを繰り返している我が家ですが、今回退去することになった住まいは、中でも思い出深い家でした。過去に過ごしたどの住まいにも、その頃その頃の日々の思い出が刻まれていますが、家族4人で過ごした時間が一番長かったのは、この2018年年末から過ごしていた住まいだったのではないかと思います。

仕事柄、普段は留守の多い夫が何か月もずっと家にいて、毎日がホームオフィス&ホームスクーリングで、三度の食事とおやつの食卓を囲み、仕事が終わると家の周りを散歩したり、近所の公園をジョギングしたりして過ごした日々。規制が多少緩くなってからも、人と会える機会が限られていた時期は、家族ぐるみで交流のある友人を可能な範囲内で招いて過ごしました。学校で授業がなかった期間は、息子たちの友人も頻繁に遊びに来ていました。

たくさん食べてたくさん飲んだキッチン。日当たりが良くて緑が多い眺めに癒されていました

規制が徐々に緩くなり、やがて完全に解除されていった時期は、子どもたちが成長して、どんどん親と時間を共有しなくなっていった時期と重なります。

なんだか家の中に家族が揃うことが少なくなったな。
子どもたちは家にいてもずっと部屋にこもっていて、全然キッチンにもリビングにも顔を出さなくなったな。
そんなタイミングで訪れたのが今回の引っ越しでした。
最後の掃除を終えて、きれいに空っぽになったリビングで家族写真を撮りました。
引っ越しを無事終えた安堵と疲労と、一抹の寂しさとで、なんとも言えない表情の一枚になりましたが、これも思い出です。

 

後半は、ドイツの選挙風景の話を書きます。

(残り 1272文字/全文: 2852文字)

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