中野吉之伴フッスバルラボ

【指導論】意図のある何も言わない時間の意味。子供たちの成長を支える大切な大人の役割について

▼ 頭を使うことの習慣化 

日本で行うトレーニングは発見の連続だ。

1月6日、大坂の岸和田でFC久米田とFCマトリックスの選手を対象にトレーニングをし、その様子を指導者の方に見学してもらうという形式で講習会を行った。

最初にU11、そのあとにU9/U10と2コマ。

アップから頭と目と体を同時に、交互に、連続に使わないとうまくいかない練習をやってもらう。大人がやっても難しい練習だけど、普段から《見つける》《考える》《実践する》のサイクルを日常的に習慣化させている子は比較的スムーズに感覚をつかみだす。

感覚をつかんでも間違ったり、うまくいかないことが多く出る設定になっているけど、そこで「あー、違う、こうだったー」「ちくしょー、わかってるんだけどなぁ」といいながら、次にチャレンジする子はやっぱり習得力が高い。

一方で「えー、全然わかんない」「なにこれ、どういうこと?」と言って見ることを止め、考えることを止め、そして動くことを止めてしまう子がいる。できないことと直面した時の対処法だったり、考え方だったり、心の整理の仕方というのに日常から取り組む機会が少ない子に多い。

《自分にできること》《自分にできないこと》

だが、この2つしか軸がないのはやはり心もとないではないか。

《今はできないけどもうちょっとでできそうなこと》《なかなかうまくできないけどできそうなきっかけはつかめそうなこと》《ちっとも糸口がつかめないからまず自分ができることは何かを整理すること》

そんな風にもっといろんな段階があった方がいいと思うのだ。

人間誰でもモチベーションを高めて取り組むための条件は似ている。夢中になれるようにこちらがまず《コンフォートゾーン》を設定してあげるのも手だろう。でも、それだけでは人は成長しないし、成長力を高めることができない。

考えるというのはとても労力のいる仕事だ。頭を回転させ続けたときの疲労度は半端ない。だからどこかでギブアップして、考えることをあきらめてしまう。

でももし、選手として、人間として、もっともっと成長して、成熟していきたいんだったら、そこで踏ん張って取り組むこと、それを促すこと、そして辛抱強く見守り続けることは極めて重要なのだ。

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